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2020年東京五輪に向けて「第1回北海道ハイテクAC杯レディース陸上競技選手権大会」に600名の小・中・高生らが出場

東京オリンピックで活躍できる女性アスリートの育成をめざして開かれた「第1回北海道ハイテクAC杯レディース陸上競技選手権大会」。雨の中、約600名の小中高生らが熱戦を繰り広げた

 2020年の東京オリンピックに向けて、福島千里選手に続く女子アスリートを発掘・育成しようと札幌陸上競技協会と北海道ハイテクAC主催の「第1回北海道ハイテクAC杯レディース陸上競技選手権大会」(北海道、札幌市、恵庭市、北海道新聞社、読売新聞北海道支社、報知新聞社、北海道日刊スポーツ新聞社、道新スポーツなど後援)が9月15日、札幌市円山競技場で開かれました。初秋を迎えたこの日の札幌はあいにくの雨。それでも競技場では小、中、高と高校・一般の部に分かれて道内各地から駆けつけた記録保持者ら約600名が招待選手のトップアスリート10数名と共にトラック競技やフィールド競技に熱戦を展開しました。

 大会には、道内のチビッ子選手のあこがれ、北海道ハイテクACの福島千里選手も招待選手として高校・一般100mに出場。予選を軽く通過した後、決勝で11秒54を出して優勝すると、スタンドにいた未来のオリンピック選手たちが熱いまなざしを注ぎ、その華麗な走りに見入っていました。また特別参加として男子の小学、中学、高校、大学チームによるリレー競技が行われ、レディース陸上に花を添えました。

  • 北風選手

    北風選手

  • 福島選手

    福島選手

  • 赤いユニフォームで100m決勝を疾走、優勝した福島さん

    赤いユニフォームで
    100m決勝を制する福島さん

次世代の女性トップアスリート育成と地域振興を目的に

 大会は札幌陸上競技協会が、中村宏之監督の下、高い技術力と精神力あふれる有能な選手を育成し地域のスポーツ振興に貢献している北海道ハイテクACと力を合わせ、福島選手や北風沙織選手らに続く次世代の女性アスリートのスプリント能力を伸ばして育成し、地域にスポーツ文化を花開かせようと開催したものです。北海道ハイテクACのメンバーも全員が陸協役員らとともに大会運営にあたり、滋慶学園グループの北海道ハイテクノロジー専門学校や北海道メディカル・スポーツ専門学校も協力。鍼灸科やスポーツ科の学生らが救護ブースを設け、雨で足をとられた選手のケアにあたりました。

 競技に先立って行われた開会式では、大会長の品出吉博・札幌陸協会長が「福島選手や北風選手らのような素晴らしい選手が沢山育ってくれることを願って北海道ハイテクACとともにこの大会を作りあげました」と大会設立の趣旨を説明し関係各方面への感謝を述べた後、「心・技・体の揃った若い世代を育てていこうという意識で地域のスポーツ振興にあたり、それを札幌から全国に発信し、その輪が広がることを願っています」とあいさつ。

 次いで名誉副大会長に就任した滋慶学園グループの浮舟邦彦総長が「2020年に東京オリンピックが決まり、この大会はそのオリンピックをめざす小学生、中学生の皆さんのための大会です。2006年に北海道ハイテクACに一年中練習ができるインドアスタジアムが完成し、そこから福島さんや北風さんらが育ちました。学校や学生たちが地域や産官と連携する中から競技選手が生まれてきたのであり、そうした精神を受け取ってこの大会が生まれました。今後、素晴らしいアスリートがこの大会や北海道ハイテクACから生まれ、スポーツのすばらしさを北海道から世界に発信していければと願っています」と述べました。

  • 札幌陸上競技協会の品出会長

    札幌陸上競技協会の品出会長

  • 浮舟総長

    浮舟総長

  • スタンドには大勢の参加者や家族の皆さん

    スタンドには大勢の参加者や家族の皆さん

 また、名誉大会長である高橋はるみ北海道知事に代わって北海道環境生活部の山田亨くらし安全局長が「昨年のロンドン五輪では13名の北海道出身者が活躍しました。しかし道内で今も生活しながらオリンピックで活躍した選手は福島選手ただ一人です。このレディース大会から2020年の新しい国立競技場で活躍する大勢の選手が出てくることを期待します」と祝辞を述べました。

福島さん、小中学生らに「2020年、東京で一緒に走りましょう!」

金丸選手(左)と高平選手金丸選手(左)と高平選手

 開会式のあと、会場に姿を見せた北京五輪400m出場の金丸祐三選手と同400mリレー銅メダルの高平慎士選手が紹介され、参加者を激励するサプライズもありました。さらに中学3年で全国中学女子100mに優勝、高校3年時にはジュニア・インターハイ・国体少年女子Aの100mで三冠を達成するなどの華やかな記録をもつ北風沙織選手や福島選手らが紹介されました。北風選手は「この大会から2020年のオリンピックに一人でも多くの選手に出場してもらえるようにお手伝いしていきます」とあいさつ、福島選手は「私も頑張るので皆さん、ぜひ一緒に2020年東京オリンピックの100mを走りましょう」と呼びかけ、歓声を浴びていました。

 競技は9時半から、札幌陸協の審判団が見守るなか、フィールドでは高校・一般女子の砲丸投げ、トラックでは高校・一般女子400mを皮切りに各競技がスタート。12時過ぎにはほとんど雨も上がり、高校・一般女子の100m予選6組に福島選手が登場すると、各選手への応援コールとともに、スタンドからは小学生や中学生から「福島さん~!」と歓声が飛び、試合前に「子供たちに懸命に走る姿を見てもらいたい」と話していた福島選手が他を大きく離してゴールすると、一段と大きな拍手が起こっていました。決勝でも福島選手は足元の悪さも何のその、11:54のタイムで大阪成蹊大の木村茜選手(2位、11:92)や玉田菜摘選手(3位、道央・恵庭北高3年、12:08)を押さえて、大会を盛りあげました。

  • 走り高跳び

    走り高跳び

  • ハードル競技

    ハードル競技

  • 1500m競技

    1500m競技

知事賞に中学生の臼井さん、北海道ハイテクAC賞に小6の町井さん

 なお、最優秀選手に贈られる知事賞には中学校100mで12秒66を出して優勝した臼井文音さん(十勝・帯広南町中)、優秀賞北海道ハイテクAC賞には、小学校6年生100mで優勝した町井愛海さん(道南・北斗浜分陸上少年団)が選ばれました。

  • 北海道ハイテクAC賞に輝いた町井さん

    北海道ハイテクAC賞に輝いた町井さん

  • 当日のプログラム

    当日のプログラム

  • 北海道ハイテクや同エコ、同メディカル・スポーツの協力ブースも

    北海道ハイテクや同エコ、
    同メディカル・スポーツの協力ブースも