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【大阪コミュニケーションアート専門学校】 卒業制作展「WE ARE OCA 2014~創造快進撃~」

学生たちが作った壮大な光の芸術、プロジェクションマッピング作品が注目を浴びる=OMMビルで開かれた「WE ARE OCA 2014~創造快進撃~」のメイン会場で

 マンガ、アニメなどクール・ジャパン業界に多くの人材を輩出している大阪コミュニケーションアート専門学校(OCA)(大阪市西区)の卒業制作展「WE ARE OCA 2014~創造快進撃~」が2月7日(金)、8日(土)、大阪・天満橋のOMMビルで開催され、業界関係者や保護者、高校生らが多数見学に訪れました。

 会場にはクリエーター科やゲーム・CGクリエーター科、マンガ・アニメ・小説科、コミックイラスト科の学生たちが3年間の集大成として企業課題に挑戦してきた作品がずらり。それぞれの作品の前では学生たちが自らのポートフォリオ(作品集)を手に、見学に訪れた人たちに作品の制作目的や狙い、セールスポイントなどを盛んにアピールしていました。見学中の人たちもその熱気に巻き込まれ、足を止めては説明を聞きながら作品に見入っていました。

 また、2日間の展示会で訪れた人たちの注目を浴びていたのが、メイン会場で行なわれていたプロジェクションマッピング作品の上映。各専攻をまたがって集まった学生たちが昨年10月から取り組んできたOCAのイメージを表現した映像作品です。見学に訪れた人たちは、抽象、具象、幾何学文様など斬新カラフルで迫力満点の光の芸術に目をみはっていました。

キヤノン新型ムービーの広告デザインで河本さんグランプリ!

キヤノンマーケティングジャパン株式会社の広告デザイン課題に挑戦し、グランプリに輝いたイラストレーション専攻3年、河本絵里さんと作品キヤノンマーケティングジャパン株式会社の広告デザイン課題に挑戦し、グランプリに輝いたイラストレーション専攻3年、河本絵里さんと作品

 広告デザインコーナーでは、キヤノンマーケティングジャパン株式会社から出された課題作品の前でクリエ-ティブデザイン学科イラストレーション専攻3年の河本絵里さんが微笑みながら説明にあたっていました。作品は160度の視角をもつCanonの超広角ムービーカメラ「iVIS mini」のPR広告。ダンスコンテストでの優勝を目指す5人の女性ダンスチームという想定のテーマにしました。

 モデルになってくれたダンサーたちは、全員がダンス教室の仲間。一般のデジタルカメラやスマフォに収まらないダイナミックなダンスチームを、超広角、置き撮りが出来る「iVIS mini」で全メンバーを捉える。そうすることによってチームが一つにまとまり、スキルアップして優勝に突進できる、というストーリー。「iVIS miniならひとつになれる “置き撮り”だからひとつになれる」というキャッチコピーでチームの結束、友情とカメラの特性をしっかりと表現、4枚組のポスターに仕上げました。さらに動画によるWEBコンテストの展開企画も併せて提案し、多くの作品の中から優秀6作品に選ばれ、さらに見事、グランプリに輝きました。

 河本さんは広告現場でクリエ-ターとしてバリバリ仕事をこなしたいと関西学院大学を卒業後、OCAに入学。クリエーターは体力がなければ集中力がでないとダンス教室にも通い、元電通クリエ-ティブ局長の鞍井修一学校長が特別に主宰する「鞍井ゼミ」に籍を置いて広告制作の腕を磨いてきました。その成果が実り、この4月から海外にも進出している広告会社のデザイナーとして就職することが内定。河本さんは「グランプリの受賞を誇りに、世の中に感動を伝えられるような作品を発表して行きたい」と元気一杯、話していました。

 そのすぐ反対側の展示ブースでは、テーマパークからの課題に挑戦していたイラストレーター専攻1年、上野あかりさんが「お時間があれば、ぜひ私のこだわりを見て下さい」と、声をかけていました。派手なイラスト画の目立つ作品群のなかで、ひときわシンプルな文字中心のデザインがかえって目を惹きます。しかし、残念ながら賞は取れませんでした。ちょうどメイン会場では1年生の優秀作品のプレゼンテーションと表彰式が行われており、それを横目に見ていた上野さんは「負けずきらいなので、とっても悔しいです。もっともっとうまくなって来年は絶対に賞を取ります」と、精一杯明るく言い放ち、誓いを新たにしていました。

アジア各国からの留学生もまんが、CGアニメ作品でアピール

韓国・研成大学の教職員から質問を受けるプロマンガ科専攻の留学生、ジョ・ソンウさん(左端)韓国・研成大学の教職員から質問を受けるプロマンガ科専攻の留学生、ジョ・ソンウさん(左端)
プロデビューしている学生たちのまんが作品を見る見学者プロデビューしている学生たちのまんが作品を見る見学者

 会場のあちらこちらで留学生の姿や作品も目につきました。

 たまたまこの日、滋慶学園グループの提携校である韓国・研成大学の教職員一行12名が会場を訪問。まんがコーナーで一行が足を止めて取り囲んでいたのが、プロマンガ科専攻の韓国・仁川市からの留学生、ジョ・ソンウさん(27)です。ジョさんは子どもの頃から日本のまんがの大ファンで、高校卒業時にマンガ家をめざすか、もう一つ大好きな料理の道にすすむか悩んだそうです。

 結局、ジョさんは中途半端な気持ちのまま地元の大学に進学しましたが、途中2年間、軍隊に行っているときにまんがの道に飛び込む決心をして、兵役義務を終えると同時に来日。東京コミュニケーションアート専門学校(TCA)で学び始めました。しかし2011年の東日本大震災に遭遇、心配した家族から呼び戻され、一旦母国に帰っていました。悶々とした日々の中でやはり夢を実現したいと家族を説得、1年後に大阪なら再留学してもいいという家族の了解を取り付けて、滋慶学園グループの転校転科システムを使ってOCA2年生に編入、まんが家としてのプロデビューをめざしてきました。好きだった料理をテーマにしたまんが作品を見せて、母国からやってきた大学職員から激励を受けたジョさんは「まんが家になることしか考えていません。近く出版社と作品の発表について相談することになっています。うまくいけば嬉しいのですが…」と話していました。

自らのCGアニメ作品を説明する台湾からの留学生、郭景翰さん自らのCGアニメ作品を説明する台湾からの留学生、郭景翰さん

 またCG作品コーナーでは、台湾・台南市からの留学生でゲーム・CGクリエーター科1年、郭景翰さんが自作のアニメ作品を見学者に説明していました。惑星の権利争いに巻き込まれた銀河系を救う戦闘ロボットの壮大なスケールのCGアニメ作品です。巨大なビルのような宇宙戦艦内の発射台とロボットを示しながら「この発射台のディテールにこだわったところを良く見て下さい。3年かけてこの壮大な作品を完成させるつもりです」と熱っぽく語っていたのが印象的でした。

 他にも大勢の学生たちの個性的な作品群が、悪天候にも関わらず訪れた人たちの目を楽しませていました。