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医療事故調査制度を受け、医療安全管理の実践者として現場へ-滋慶医療科学大学院大学4期生学位記授与式

2016.03.24

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学位記授与式を終えて、学位記を手に江原一雅研究科長らと写真に納まる滋慶医療科学大学院大学の4期生=大阪市淀川区の新大阪駅前にある学舎前で

 “医療の質・安全”の向上を探究する滋慶医療科学大学院大学(武田裕学長)の「平成27年度学位記授与式」が3月20日(日)、大阪市淀川区の新大阪駅前にある大学院学舎で行なわれ、第4期生24名が武田学長から医療安全管理学修士号を授与されました。

 医療管理学研究科医療管理学専攻の修士課程を修了し、修士号を取得したのは、大阪大学医学部附属病院臨床検査部で臨床検査技師として働きながら、同大学院で医療セーフティマネジメント学や医療リスクマネジメント学など医療安全管理学を学んできた正司浩規さんをはじめ、看護師や言語聴覚士、介護福祉士、鍼灸師、診療情報管理士、視能訓練士ら、医療・福祉の仕事につきながらこの2年間学んできた人たちで、昨年10月に施行された国の医療事故調査制度を受けて、「医療安全の一端を担うのは私たち自身であることを強く自覚しています」と決意を新たにしていました。

武田学長 「医療の質・安全 皆様方への期待は大きい」

  • 学長告辞を行なう武田裕学長

  • 一人一人に学位記が授与されました

 学位記授与に先立ち、まず開学以来先頭に立って指導してきた武田学長が告辞を行ないました。武田学長は4期生に向かって、仕事を持ちながら難しい論文審査に合格した努力をねぎらい、「2025年問題を控えて4月からの診療報酬の改訂は、益々急性期医療から在宅医療への大きなシフトを導いています。これからのヘルスケアに於ける経営環境は大変厳しいものがあると思われます」と、これまでの右肩上がりの医療の時代は終わったことを告げました。
 武田学長は、「そうした中で、医療の質・安全に対する社会のニーズは確実に高まっています。しかし、昨年の10月に施行された医療事故調査制度は学習型の新しいスタイルであり、医療界では、それに対する理解、配慮はまだまだ出来ていないのではないかと思われます。そういう中だからこそ、皆様方への期待は大きいのです」と、今後の活躍を要請し、①自分自身がキャリアを積んで将来に役立っていく、②その結果、所属する医療施設やヘルスケア施設も厳しい環境の中で勝ち抜いていく、③そしてその功績をもう一度、大学院に戻してもらうという“トリプルWin”の関係を修了生たちに求め、告辞としました。

 このあと、一人ひとりに武田学長から修士号の授与が行なわれました。修了生の中には、仕事と学業に加えて家庭と、一人3役をこなしながら論文を仕上げた修了生も含まれており、フードとガウン、房付きのキャップというアカデミックドレスに身を包んで式に臨んだ新修士の皆さんは、“やりきった感”の溢れる高揚した面持ちで学位記を受け取り、医療安全に関わる先駆者としての“覚悟”を新たにしていました。

浮舟総長 「横のネットワークを生かして新ジャンルへの挑戦を」


浮舟邦彦総長が祝辞を贈りました

 続いて、学校法人を代表して、浮舟邦彦総長が祝辞を述べ、将来に向けてスペシャリストとしてのキャリア開発の大切さを教示しました。浮舟総長は「医療の現場は今、急性期医療から地域連携、在宅医療へと大きく変化をしていっています。家庭やご家族、患者さん、地域、そして医療施設、福祉施設との連携が重要になってきています。専門領域における専門家の皆さんが横に連携しネットワークしていくことが益々重要になってきます。そういう中でリスクマネジメント、特に医療の安全管理は横の連携に於けるマネジメントの大きな領域だと思います。この横の関係はほとんど行なわれて来ませんでしたが、皆さんはその先駆者として活躍されていかれることを期待しています」と、多職種の医療関係者が学ぶ滋慶医療科学大学院大学ならではの教育を医療の現場で生かして欲しいと述べました。
 さらに浮舟総長は、「キャリア開発は生涯続きますが、研究者、実践者としての地位を確保し、新しいジャンルに挑戦するとともに、さらにはマネジメントという大きなフィールドにも踏み込んでいっていただきたい」と新修士の皆さんの飛躍を期待しました。

大阪府立成人病センターの松浦成昭総長からご祝辞


大阪府立成人病センター、松浦成昭総長から祝辞をいただきました

 ご来賓を代表して、地方独立行政法人大阪府立病院機構 大阪府立成人病センター、松浦成昭総長から“最後の講義”とも言うべき貴重な祝辞をいただきました。
 松浦先生は、仕事を持ちながら新しい分野にチャレンジし、自分の仕事の幅を広げるというそのチャレンジ精神に敬意を表した上で、「顕微鏡で我々の身体を見ると、どの臓器も色んな細胞がお互いに仲良く調節をし合って、いろんな臓器が調子よくいって、私たちの身体が健康だということが、良くわかります。我々の体の中で個々に仕事をしている細胞と、脳からの指令のように調節役をやっているものがいるわけです。
 これは病院、医療機関と同じだと思います。医師、看護師、薬剤師、臨床検査技師、臨床工学技士、理学療法士と色んな職種の方が仲良くうまくやって医療が進むわけです。多分、皆さん方は個々のそれぞれのスペシャリストであるとともに今回、医療安全という、これはいろんな細胞のつなぎ役、医療で言えばチーム医療、色んな職種を、お互いを接着して、また内科と放射線科をつなぐとか、そういうような役割の仕事になるのだろうと思います」と、医療機関では色んな職種が協力することは必須であり、今後は、それぞれの仕事の場所での職責を果たし、医療機関に貢献することを心から期待していると、激励の言葉を頂きました。

広東薬科大学(廣東薬学院)張副学長から祝辞をいただきました

  • 広東薬科大学、張幼鐸副学長から祝辞をいただきました

  • カリフォルニア州立大学ロングビーチ校、ジート・ジョシュイー博士のお祝いのビデオレターが紹介されました

 提携校の広東薬科大学の張幼鐸副学長からお祝いの言葉を本学国際センター、劉偉先生の通訳で頂きました。張副学長は「卒業は終わりではなく、人生の新しいスタートです。皆さんは、今後も永遠に大いなる夢を抱き、仕事をしながらも絶えず学習し、ご自身の価値を高め目標を実現するよう期待しています」と激励、2007年からの大阪滋慶学園との提携合作関係をより深化させ、さらに発展させていきたいと述べました。

 このあと、急遽、公務のために来日できなくなったカリフォルニア州立大学ロングビーチ校準副学長のジート・ジョシュイー博士からお祝いのビデオメッセージが国際センターの小泉先生の通訳で紹介されました。

修了生代表の正司さん 「医療安全の一端を担うのは私たちです」と決意

 最後に修了生を代表して、正司浩規さんが謝辞をのべました。大石雅子教授(病院薬剤学)と武田教授(学長、医療情報学)の指導を受けて「医療情報の利活用による医療安全向上へのとりくみ~移植医療における免疫抑制剤の長期服用安全性について~」の修士論文に合格した正司さんは、「仕事と勉学の両立は想像以上に困難で、医療安全管理学という専門性の高い分野を学ぶことは決してやさしいことではありませんでした。それでも今日この日を迎えることができたのは、同じ目標を持った仲間たちに支えられ、そして誰よりも親身に相談に乗って下さった先生方のご指導があったからだと思います」と学恩に感謝を表しました。


修了生を代表して、正司浩規さんが謝辞を述べました

 そして、「昨年の10月から医療事故調査制度が施行されました。医療界が経験したことのない全く新しい制度で医療者自身によって事故防止対策を行うことが求められています。医療は提供者と受ける側の相互の信頼関係の上に成り立つことは議論の余地はありませんが、ひとたび事故が起きれば、患者側には不信や疑念が生じ、場合によっては対立的な関係に発展してしまいます。これが本当の対立になるのか、真の原因追及のためのパイオニア的な関係に展開していくのかは医療提供者の真摯な態度にかかっています。
 先ほど学長からいただきました学位記は医療安全管理学を学んだものとして、この制度をはじめとする医療安全の一端を担うのは私自身であることを強く自覚させるものです。私たちは身の引き締まる思いを持って、滋慶医療科学大学院大学を卒業し、今から一歩を踏み出します」と医療安全に取組んでいく決意を述べました。

 このあと、教授陣やご来賓の方々と一緒に新大阪駅を目の前にした学舎前で記念撮影を行ない、恩師とともに名残を惜しむ宴に向かいました。

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