滋慶学園ニュース

滋慶学園グループ > 滋慶学園ニュース > 医療安全学を探究する滋慶医療科学大学院大学 5期生の学位記授与式が行なわれました。

滋慶学園ニュース

一覧に戻る

医療安全学を探究する滋慶医療科学大学院大学 5期生の学位記授与式が行なわれました。

2017.03.22

4174701

5期生21名を代表して学位記授与式で謝辞を述べる代表の野々村さん。埼玉の病院に勤めながら医療安全学の修士号を取得した

 大学院として日本で唯一、“医療の質と安全”を研究テーマとする滋慶医療科学大学院大学の「平成28年度学位記授与式」が3月19日(日)、JR新大阪駅前の同大学院大学で行なわれました。

 この日の学位記授与式には、修士号を授与される5期生21名のほか、教授陣や関係各方面のご来賓の先生方など約100名が出席しました。告辞に立った武田裕学長は、中には家庭を持ちながら、看護師や臨床工学技士、病院理事長秘書などの仕事をこなしつつ、学業に邁進してきた修了生に向って、まず「本当によくがんばられたと思います」とねぎらいの言葉をかけました。
 
 

武田学長 地域の医療安全課題に挑戦して欲しいと式辞

 武田学長は、少子高齢社会の中で今後、医療を中心に介護や福祉との連携が重視され、「見守る」「寄り添う」新しい社会を創っていかなければならないと述べた上、「病院の医療安全がまだ完全と言えない中、地域で完結するような患者、利用者の安全安心をどうつくっていくかが課題です。皆さんにはぜひこれに取り組んでいただきたい」と訴えました。
 また武田学長は、医療安全に対する考え方が、これまでの「医療事故に学ぶ」から、良い仕事や良いチームワークを評価する「ベストプラクティスによって医療安全に備える」という考え方に変化しつつあると示唆。「これらの2つのパラダイム変化に挑戦し、地域完結型の医療安全に取り組んでいただきたい」と、医療安全管理学の修士課程を修めた一人ひとりに学位記を授与しました。

  • 式辞を述べる武田裕学長

    式辞を述べる武田裕学長

  • 理事長としてねぎらいの言葉を述べる浮舟邦彦総長

    理事長としてねぎらいの言葉を述べる浮舟邦彦総長

浮舟総長 「数少ないパイオニアとして医療安全分野の開拓を」

 次いで、学校法人大阪滋慶学園を代表して、理事長でもある浮舟邦彦総長が「仕事や家庭をもちながら学業を成し遂げたその思いは、一人ひとりのキャリアを作っていく上で大きな支えになるでしょう。この医療安全の分野は日本では研究者の少ないジャンルであり、皆さんはパイオニアとしてこの分野を開拓し広げていってください」と述べました。
 さらに、浮舟総長は、「これからは、職種間連携はもちろんのこと、医療と福祉、産官学の連携、ネットワークが大きなキーワードになります。皆様が取り組んでこられた医療の安全と質の研究が益々、社会から必要とされてきます。安全については、どの業界でも重要な経営マターとなっており、そのマネージメントは益々重要になってきます」と述べ、今後も同大学院が主催する医療安全実践教育研究会や、武田学長が座長を務める「医療の質と安全学会」などに参加するとともに、継続して研究を行なって、社会に貢献して欲しいと言葉を贈りました。

国内外の来賓ご代表からお祝いの言葉

大阪府看護協会会長の高橋様大阪府看護協会会長の高橋様

 来賓の皆様からもご祝辞をいただきました。
 大阪府看護協会会長の高橋弘枝様からは、ドラッガー博士の言葉を紹介し、「知識と実践が一体となるように活動を行い、学位記を授与されて目標を達成した今こそ、何をなすべきかを見直してください。所属している地域や施設において、何が求められているかを考えて、チームを作って実践していただきたい」と、激励の言葉をいただきました。

 

カリフォルニア州立大学ロングビーチ校のコーマック学部長カリフォルニア州立大学ロングビーチ校のコーマック学部長

 また、提携校のカリフォルニア州立大学ロングビーチ校理学療法士学部学部長のジョディ・コーマック博士からは、「皆さんは患者の権利を代表する医療職者です。そのミッションはヘルスケア活動全般にわたるリスク管理を通して、患者の皆様の安全を高め、価値を最大化することです。情報の共有と、多職種の専門職が集まる環境下でのリーダーシップを大事にして下さい」と、励ましの言葉を頂きました。

 

バングラデシュのホサイン学長バングラデシュのホサイン学長

 新たな提携校となったバングラデシュのイーストウェストメディカルカレッジ&ホスピタルから、モアゼム・ホサイン学長をはじめ、マネージング・ディレクターのウルファト・ジャハン・ムーン氏と輸血学部准教授のカジ・ナウシャッド・ホサイン氏に参加していただきました。名古屋大学医学部で博士号を取得したホサイン学長は、「皆さんが、健康問題や安全性、運営効率に貢献していかれることを信じています。安全に関するキーパーソンとして尽力する皆さんの専門知識、医療サービス、医療機器の取り扱いこそが患者の健康と福祉だけではなく、組織全体にとっても良い影響を及ぼすでしょう。そして世界の様々な機関で活躍される人物になっていかれることを信じています」とバングラデシュへの協力も訴えました。

埼玉からの遠距離通学で修士論文を完成させた看護師の野々村さんが代表謝辞

式の終了後、大学院前で記念撮影式の終了後、大学院前で記念撮影

 このあと、来賓の大阪府臨床工学技士会の村中秀樹会長や京都府理学療法士会の並河茂会長らの紹介と、日本医師会の横倉義武会長や日本看護協会の坂本すが会長ら各団体の代表者をはじめ、修了生の勤務先の病院などからの祝電の披露が行なわれました。

 最後に修了生を代表して埼玉県の病院で働きながら新幹線を使った遠距離通学で修士論文を仕上げた野々村ゆかりさんが謝辞を述べました。野々村さんは、「志の高い仲間と出会って、共に学び、悩み、時に笑い、なによりも思考するという大事な時間を持つことができました。職種によって問題の捉え方が違う多くの医療職と共にぶつかり合いながらも、一つのものを作り上げる学びは、他では経験することは出来ません。ここで得られた経験は、今後、医療現場でリーダーとなるために不可欠な能力だと思います。この大学院で学んだ誇りを胸に凛とした姿勢で突き進んでいきます」と決意を述べ、素晴しい頑張りに対して、参列者から大きな拍手を浴びていました。

中国留学生の楊さんも修士号を取得 「いつか中国の医療安全にも貢献したい」

中国人として初の医療安全学修士となった楊さん中国人として初の医療安全学修士となった楊さん

 修了生の中には中国から留学し、大阪の公立病院で臨床工学技士として働く楊成棟さんもいました。楊さんは、2007年に中国の上海医専大学から大阪ハイテクノロジー専門学校日本語学科に交換留学生として留学。その後、同専門学校の臨床工学技士科で学んだあと、日本の国家試験で臨床工学技士の国家資格を取得し、卒業後は大阪府下の民間病院に勤務。その後、滋慶医療科学大学院大学で学ぶために、大阪府立急性期総合医療センターに移り、昼間働きながら平日の夜と土曜日に大学院に通学、日本語での論文作成という難題に挑戦しながら、めでたく修士号を取得し、この日の学位記授与式に出席しました。

 「医療機器の安全管理体制の中日比較研究~医用電気機器及び病院電気設備の安全基準の中日比較を通して~」の論文で修士号を取得した楊さんは、「今の病院は規模が大きすぎるので、全体の医療安全管理というのはまだ難しいです。来年度からは京都の病院にかわり、そこで臨床工学の部門だけではなく、病院全体の医療機器についての安全管理も担当できればと思っています。当分は日本で学ぶことが多いので、十分なスキルと知識を身につけて、アメリカ式とは違う日本型の医療安全で中国に貢献したいと考えています」と目を輝かせていました。

PAGE TOPへ