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大阪府教委と滋慶学園グループの連携協定 「出前授業」の最前線をリポート!

 大阪府教育委員会との連携協定に基づく、滋慶学園グループの「出前授業」がスタートしました。産業界と連携した即戦力の職業人材の育成にあたっているグループに、府教委が注目して実現したプログラムです。専門学校と府立学校(府立高校・支援学校など)との連携は初めてのこと。滋慶学園グループが生徒たちに提供している多様な“学びの機会”の最前線をリポートしました。グループでは、これからも府立高校や支援学校などでの出前授業を実施します。

卒業して社会で必要な接客マナーを身につけよう!

豊中支援学校
大阪保健福祉専門学校

接客のときの正しいセリフ、話し方のマナーをクイズ形式で教える吉﨑先生

 千里中央から北西に、バスで10分ほど行った閑静な住宅街にある豊中市北緑丘の豊中支援学校。小学部・中学部・高等部まで障がいのある生徒たちが学んでいます。高等部1年の10人は2月26日(月)、社会に出てから必ず必要となる接遇マナーについて勉強しました。

 講師は大阪保健福祉専門学校教務副部長の吉﨑歌葉子先生。「お店でお客さんがうれしくなるような応対って、何かな?」とよく通る大きな声で問いかけながら、接客のときの「明るい笑顔」の大切さを説いてゆきます。

 正しい立ち方のポイントは、背筋を伸ばし、女性は右手を左手で隠すように前で重ね、男性はズボンの横の線に沿って手をぴちっと伸ばします。お辞儀の種類は3つあり、そのうち最もよく使う30°の角度で曲げるパターンを指導しました。「首だけぺこりと曲げるのはだめですよ。腰から曲げましょう。今日だけではなく、いつも意識してやってください」と吉﨑先生。生徒1人ひとりの動作をチェックしながらアドバイスをするので、生徒はかなり身についたようです。

 続いて女性は左手で右手をカバーして重ねて膝に、男性は手をグーにして膝の上に置く座り方、背筋を伸ばし指先を伸ばして前を向いて堂々と歩くという歩き方のコツを覚えました。最後には「こちらのお品物でよろしいでしょうか?」「ご注文はお決まりになりましたでしょうか?」などの接客の話し方と、態度について学びました。

ひな祭りの和菓子づくりを体験

豊中支援学校
神戸製菓専門学校

生徒たちは根元先生(左)と岩澤先生と一緒にひな祭りの和菓子をつくりました

 豊中支援学校高等部では2年生の和菓子づくりの体験授業も行われました。2月21日(水)、神戸製菓専門学校の教員、根元友理先生と岩澤麻美先生の2人が講師となり、8人の生徒が参加しました。2人とも本校の卒業生で、和菓子の職人として働いたあと母校の教員になりました。

 和菓子の題材はひな祭り。いちご大福を厚さ3ミリ~4ミリのようかんで巻いたお菓子です。女(め)びなと男(お)びなを象徴するようにピンク色と紫色の2種類をみんなでつくりました。

 また代表的な和菓子である、練り切りであんこを包んだお菓子づくりも体験。ひな祭りには欠かせない桜と橘の花をイメージするピンクと緑の練り切りであんこを包むと、かわいらしいお菓子が出来上がりました。和菓子づくりを通じて、生徒たちは日本の文化、季節の伝統行事についても学んだようです。

 生徒たちは「普段あまり食べたことがない菓子で、今回は貴重な体験をしました」「おいしかった。また食べたいです」と感想を語っていました。また根元先生は「和菓子をもっと多くの人に知ってもらいたいと思っています。今日はいい機会になりました」と話していました。

本格的なエスプレッソとラテアートを楽しむ

東大阪支援学校
大阪キャリナリー製菓調理専門学校

プロのバリスタのエスプレッソを味わいラテアートの体験授業をする上田先生

 東大阪市中石切町の東大阪支援学校では中学部の生徒が2月7日(水)、ラテアートの体験授業を受けました。講師はプロのバリスタで、大阪キャリナリー製菓調理専門学校の上田真也先生。本校の卒業生で、大阪・北浜の有名コーヒー店でヘッドバリスタをつとめるプロフェッショナルです。

 生徒は中学部1年から3年の7人。このプログラムは生徒にいろんな経験をしてもらう「総合」の授業の一環です。触覚や嗅覚など五感の刺激を取り入れ、先生と生徒がコミュニケーションをとりながら表現力をつけていきます。

 上田先生らはエスプレッソマシンなどの器具を用意し、泡を立てるスチームの操作やエスプレッソの作り方を実演。コーヒーの香りが漂う中、デモンストレーションで花の絵のラテアートを披露しました。

 生徒たちも支援学校の先生のサポートのもと、爪楊枝でウサギなどの動物の絵や渦巻きの模様などを描いていました。苦いエスプレッソをうれしそうに味わう生徒もいれば、苦手な生徒もいましたが、全員が楽しんで授業を受けていたのは確かです。

 支援学校の先生たちは「普段の授業では行うことができない内容なので、子どもたちにとっては本当に貴重な体験でした」と話していました。

アロマオイルでオリジナル化粧品を!

東大阪支援学校
大阪医療技術学園専門学校

鈴木先生は「計る」「つぶす」「混ぜる」という作業を中心に授業をしました

 東大阪支援学校では1月30日(火)に、同じ中学部の生徒を対象にした「アロマ化粧水をつくろう」という授業も行いました。講師は大阪医療技術学園専門学校の薬業科学科長の鈴木次郎先生ら。参加した6人の生徒たちは精製水やエタノールなどを自分で調合し、好きな香りのアロマオイルを選ぶことでオリジナル化粧水をつくるという体験をしました。

 やはり「総合」の授業の一環で、支援学校の先生たちのサポートで、18ミリリットルの精製水や、2ミリリットルのエタノールを計ってビーカーに移し、尿素をすりつぶして加えてかき混ぜる作業を行いました。

 さらにオレンジやラベンダー、ペパーミントなど5種類のアロマから好きな香りを選んで2滴ほどたらしてかき混ぜ、スポイトで容器に入れました。最後に自分の名前を書いたシールを貼って出来上がりです。支援学校では「感覚を使った授業のなかで、一番反応がいい香りをテーマにした授業に難しさを感じていました。今回、アロマの香りの授業で生徒たちは大きく反応を示してくれました」と話していました。

「ものづくり」の面白さを体感する

泉北高等支援学校
OCA大阪デザイン&IT専門学校

オリジナル缶バッジは、プレゼントしたい人のことをまず考えるのがポイント

 大阪府立泉北高等支援学校では1月17日(水)、OCA大阪デザイン&IT専門学校(今年4月に大阪コミュニケーションアート専門学校から校名変更)の指導のもと、高等部1年の生徒たち8人がオリジナル缶バッジの制作を体験しました。

 まずは、どんなデザインにするかというアイデア出しから、下書き、着色、完成までの工程など作り方を説明。アイデアについては、「自分でつくった缶バッジをプレゼントしたい人のことを考え、相手の好きな言葉やキャラクターなど、どんなものをつくるかを決めること」がポイントになります。

 そのあと、思い思いに絵を描いていきます。描いたイラストをハサミで丸く切りぬき、直径52ミリのバッジに組み合わせていきました。

 絵がうまく描けない生徒も名前をデザインして描いたりと、みんな熱心で、早い生徒は50分の授業時間内に2個目を完成させる生徒もいました。

 支援学校からは「知的障がいのある生徒にわかりやすく声をかけ、1人ひとりペースに合わせて制作意欲を引き出していただきました。生徒たちは自分の作品がきれいなバッジになっていくのを見て、さらにもう1つ、もう1つと次々にチャレンジしていました。貴重な経験でした」と感謝のコメントをいただきました。

 皆さん、それぞれにアイデアを出され、オリジナリティーあふれる作品を創作されました。ものづくりの面白さを体感していただけたと思います。

滋慶学園グループの「出前授業」一覧