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滋慶医療科学大学院大学 医療多職種23人の医療安全管理学修士が誕生しました

滋慶医療科学大学院大学の学位記授与式.。医療安全管理学修士号を授与され、23名の修士が誕生しました

 医療の安全を探究する全国で唯一の大学院である滋慶医療科学大学院大学の「平成29年度 学位記授与式が3月17日(土)、大阪・新大阪駅前の同大学院で行なわれました。病院や医療機関などで看護師や臨床工学技士など医療職として昼間、働きながら平日の夜と土曜日に研究を行なってきた23人が、修了証書と医療安全管理学修士号を授与されました。修了生の中には、滋慶学園グループ校の教職員や卒業生も含まれており、皆さんは、キャリアアップを果たして、今後、医療安全のエキスパート、リスクマネージャーとして新たな気持ちで現場での活躍に挑みます。

 同大学院大学は、4年制大学の学士資格を持っていなくても医療現場等での実務経験があれば審査によって受験できるなど、「医療の質と安全」について学びたい人に門戸が開かれています。式典では、医療管理学研究科の岡崎正之研究科長が武田裕学長に代わって登壇し、仕事と学業、家庭を両立させてきた修了生の努力に敬意を表した上で、「本大学院で習得した医療安全管理学の知識と技術など実践力や人間力に自信をもち、患者さんや施設、地域のチームに信頼される専門職として大いに活躍されることを期待します」と、メッセージを代読しました。また同大学院大学が昨年、高等教育評価機構による外部評価を受け、「適合」の評価を得たことなども伝えられました。

 このあと同研究科長から学位記の授与が行なわれ、修士論文「医用テレメータのトラブル事例におけるFMEAを用いた分析と安全対策」をまとめた植田雄幸さんら、厳しい論文審査に合格しアカデミックガウンに身を包んだ、医療管理学研究科(医療安全管理学専攻)修了生23人が一人ずつ名前を呼ばれて、修士号と医療安全管理学の学位記の授与を受けました。

  • 学長メッセージを読み上げる岡崎正之研究科長

  • お祝いの言葉を述べる浮舟邦彦総長

浮舟総長祝辞 「医療安全のリーダーとして活躍を」

 学校法人を代表して壇上に上がった浮舟邦彦総長は、「皆さんは、お仕事、ご家庭、そして新しいジャンルにおける研究と、この大学院での学びは本当に大変だったと思います」と昼夜、仕事と勉学、さらに中には家事もこなした院生の努力をねぎらった上で、チーム医療の大切さに触れ、「医療におけるリスクをどうマネジメントしていくかは、患者さんの保護という面はもちろん、病院や施設のみならずあらゆる組織に於ける経営問題ともなっています。皆さんはそのジャンルの研究家として、リーダーとして、益々、研究を深めてご活躍をしていって下さい」と、祝福しました。

大阪府立病院機構の遠山正彌理事長

 また、ご来賓を代表して地方独立行政法人 大阪府立病院機構理事長の遠山正彌様からご祝辞を頂きました。「学んだことをいかに社会に生かしていくかということを考えて下さい。そして患者さん目線を大事にして下さい」と伝えながら、遠山理事長は、冬季五輪で小平選手が「自分との戦い」といった言葉を引用し、「自分との戦いをいかに制していくかが、危機管理にも通じるのです。時には自分の判断を疑いながら、より高い視点で結論を出していって欲しいと思います」と、医療安全のエキスパートとしての心得と激励の言葉を贈っていただきました。ト

カリフォルニア州立大サンマルコス校学部長とマカオ科技大学学長からもご祝辞

 海外提携校の米カリフォルニア州立大学サンマルコス校看護学部のローナ・ケンドリック学部長と中国澳門(マカオ)科技大学の劉良学長からもご祝辞をいただきました。ケンドリック学部長からは、「あなた方はヘルスケアの分野でどれだけ重要な役割を果たすのか、まだ実感がわかないでしょう。しかし“害を与えない”という信条を学んだあなた方は、一人ひとりに対して最大限安全な医療を保証するという極めて大きな責任を負っています。そして、あなた方の力はヘルスケアシステムの未来に対して、長期的に大きな変化をもたらすでしょう」と、その役割の大きさに触れ、激励して頂きました。

  • カリフォルニア州立大学サンマルコス校のローナ・ケンドリック学部長

  • 中国澳門(マカオ)科技大学の劉良学長

 また、2000年に創立され医学、薬学、健康科学の総合大学に発展した澳門(マカオ)科技大学の劉学長は、大阪滋慶学園との交流の歴史に触れた後、「貴学の国際的な認知度は高く、マカオは今、最も発展した時代を迎えています。マカオへの留学を心より歓迎します。修了生の皆さまがこれから歩まれる道が順調で美しいものになるよう願っています」と祝福の言葉を頂きました。

修了生を代表して“3役”を乗り越えた住友さんが謝辞

謝辞を述べる修了生代表の住友さん。

 式の最後に、修了生を代表して医療管理学研究科医療安全管理学修士となった住友順子さんが謝辞を述べました。家庭をもち小学生の子どもを育てながら、近畿大学医学部附属病院の病棟看護師長と学業の3つを切り盛りしてきた住友さんは、「暗いトンネルから永遠に抜け出せないような不安な時もありましたが、真剣に学ぶ仲間の姿に励まされ、一歩ずつ乗り越えることが出来ました」と、臨床工学技士や理学療法士、臨床検査技師など多職種の研究仲間との絆を深めてこれた喜びを語ると共に、今後、それぞれが業務の質と安全向上のための実践と教育のリーダーとして職場で努力をしていきたい、と述べました。


全員で記念撮影

 式典終了後、第二部として岡崎研究科長が大学院の活動報告を行い、「悲しい時も苦しい時も精一杯生き抜くといい日が訪れるという意味です。皆さんにふさわしいと思います」と、唐時代の禅僧の言葉「日々是好日」を、はなむけの言葉として修了生に贈りました。