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「救えるかもしれない命のために全力で」骨髄移植推進キャンペーン ミュージカル「明日への扉」 大阪公演が行なわれました

生きることのすばらしさを伝えたステージのフィナーレ

 「ドナー登録によって1人の命が救えるかもしれない」…。滋慶学園グループの学生たちの熱い思いが込められた骨髄移植推進キャンペーンミュージカル「明日への扉」の大阪公演が9月29日(土)、台風接近による雨模様のなか、大阪市のNHK大阪ホールで行われました。今年は1994年の初演からちょうど25年目です。ミュージカルスターを目指す若者たちの葛藤を中心に、助け合って生きることの素晴らしさ、友情と命の大切さを訴えたステージは、スタンディングオベーションとカーテンコールが続き、感動の渦に包まれていました。

 「明日への扉」は大阪スクールオブミュージック専門学校、大阪ダンス&アクターズ専門学校、大阪スクールオブミュージック高等専修学校など、滋慶学園COMグループの主催。キャストや制作、舞台進行、照明、プロジェクションマッピング、ヘアメイク、ゴスペルアンサンブルも含め、すべて学生が行います。ビッグバンドには大阪ECO動物海洋専門学校や大阪キャリナリー製菓調理専門学校の学生も参加。トレーナーは京都医健専門学校の学生が担当しました。総勢536人の学生でつくりあげた舞台です。

台風で30日の公演中止 公開リハーサルに招待

 キャストには1年生の学生も大勢いて、夏休みも厳しい練習を積み重ね、本番に臨みました。しかし、今年の大阪公演は台風24号の影響で29日の第159回、160回公演のみとなり、翌30日(日)の161回公演は中止になりました。出演する予定だった学生たちは涙を流して残念がっていましたが、27日(木)には本番さながらの公開リハーサルが行われ、応援してくれた家族や友人たちが招待されました。

  • 「明日への扉」第161回公演のリハーサル開始前(9月27日)

  • 公開リハーサルのエンディングの1シーン。練習の成果を発揮しました(9月27日)

 制作総指揮をつとめた大阪スクールオブミュージック高等専修学校の喜多静一郎学校長は冒頭の挨拶で、「9月初めの台風、夏前の大阪北部地震…と、今年は多くの災害に見舞われ、避難所から通っていた学生もいます。そんな中で30日の公演は中止をせざるを得なくなり、学生たちは悔しい思いだったことでしょう。生涯で1回しかないステージ、1回しかない役です。どうにかして練習の成果を保護者の方々にお届けしたいと思いました」と語りました。

 そして「今日出演する学生たちは、(台風の影響による雨模様の)天気を吹き飛ばすべく、後ろでスタンバイをしています。どうか温かい拍手とご声援をお願いいたします」と呼びかけました。

舞台では 生きることのすばらしさを訴えました

  • ミュージカル冒頭の第1次オーディションのシーン

  • ダンスや音楽など夢を求める若者が集うライブハウス

 本番公演は、ゴスペルアンサンブルによるテーマソング「明日への君に」のコーラスで幕が開き、物語はミュージカルの主役・ハーミアの1次オーディションのシーンから始まります。最終オーディションに残ったのは4人。多くのことを犠牲にし、ひたすらミュージカル女優を目指して厳しいレッスンに耐えてきたゆかりにとって、最大のライバルは遥(はるか)でした。ところが最終審査を前に、遥は慢性骨髄性白血病で倒れ、ゆかりたちに波紋を投げかけます。ゆかりは、自分の知らない誰かのためであっても、その命が救えるなら、と骨髄の提供に同意するのですが…。

  • 遥の夢。森の女王(右)が傲慢な人間に怒る

  • ゆかりのこころの葛藤のシーン

 夢を追い求める若者たちの揺れる心を通じ、他人を思いやることの大切さ、生きることのすばらしさを訴えています。

「救えるかもしれない命のために、全力で駆けた」

 終演後、急性骨髄性白血病で亡くなった女優・夏目雅子さんの実兄で「財団法人 夏目雅子ひまわり基金」の小達一雄理事長が登壇しました。「妹が亡くなったのは27歳、女性として一番美しく、輝いているときでした。あの時はあきらめるしかなかった病気も、時とともに治る病気に変わりました。それでも、ドナーにめぐりあえていない方たちが大勢いらっしゃいます」と語り、ステージ上の学生たちとピットのビッグバンドのメンバーたちも、小達さんと一緒になって骨髄移植への更なる理解と協力のお願いをしました。

  • 骨髄移植に対する理解と協力を求める小達さんと学生たち

  • 募金を呼びかけるゆかり役の学生(右)ら

 また小達理事長は、関西を直撃した台風や大阪北部地震についてもふれ、「学生さんの中には被災され、心が折れそうになったという人もいたそうです。それでも、みんな全力で、この日の公演のために駆け抜けてくれました。その全力は、自分のためではなく、もしかしたら救えるかもしれないまだ見ぬ命のためにです」と述べ、学生たちを称えました。

 ロビーでは、出演者や舞台を支えた学生たちが、募金箱を手に「骨髄移植にご協力くださ~い!」と呼びかけていました。集まった募金は「日本骨髄バンク」と、抗がん剤治療の副作用に悩む患者のためカツラを無料で貸し出す活動などを続けている「夏目雅子ひまわり基金」に贈られます。

 骨髄移植推進キャンペーンミュージカル「明日への扉」の趣旨にご賛同いただいた皆様に厚く御礼を申し上げます。

骨髄移植推進キャンペーンミュージカル「明日への扉」

《主催》 滋慶学園COMグループ
《推薦》 厚生労働省
《後援》 
 ・財団法人夏目雅子ひまわり基金
 ・公益財団法人日本骨髄バンク
 ・大阪府教育委員会(大阪公演)
 ・大阪市教育委員会(大阪公演)

《特別協賛》
 ・青山商事株式会社「洋服の青山」
 ・大塚製薬株式会社
 ・株式会社学生情報センター
 ・KCJ GROUP 株式会社
 ・コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
 ・サントリーホールディングス株式会社
 ・株式会社ミニミニ
 ・リゾートトラスト株式会社
 
  協賛企業 計151社