滋慶学園ニュース

滋慶学園グループ > 滋慶学園ニュース > “救急出動指令、竜巻による交通事故!” 実習に向けて誓いを新たに東洋医療専門学校 救急救命士学科で「徽章授与式」

滋慶学園ニュース

一覧に戻る

“救急出動指令、竜巻による交通事故!” 実習に向けて誓いを新たに東洋医療専門学校 救急救命士学科で「徽章授与式」

2019.12.09

1511001

巨大竜巻による交通事故を想定した救急救命の訓練

 東洋医療専門学校 救急救命士学科で学ぶ学生たちが現場実習に出るにあたり、人の命にかかわる医療従事者の一員になるとの誓いを新たにする「徽章(きしょう)授与式」が11月18日(月)、教職員や家族が見守るなか、大阪市淀川区の大阪ガーデンパレスホテルで行われました。第19期生の2年生、昼間部83人・夜間部40人の計123人が出席し、担当教員が1人ひとりに徽章を授与。シミュレーション訓練では、巨大竜巻が発生して事故や火災が起きたとの想定で、学生たちが救急隊や救助隊などとして緊張感みなぎる救急救命の一部始終を披露し、家族や関係者の方々に成長した姿を見ていただきました。

 式典では、最初に1人ずつ名前が呼ばれ、担当の教員から徽章のバッジを授与されました。この徽章には世界中で救急救命のシンボルマークになっている「スターズオブライフ」のデザインが描かれ、周囲に英語で「救命士」と「東洋医療専門学校」の文字が記されています。

  • 一人ひとりに徽章を授与されました

  • 「スターズオブライフ」のバッジ

「人命を守る強い意志を抱く救命士に!」 19期生代表が決意表明

 この後、壇上に立った太田宗夫学校長は「皆さんは、この式典でご両親や日本の医療社会に対し、救急救命士の道を歩むため最大限の努力をすることを誓約しました。救命士の仕事の枠組みは変更されようとしており、業務を行う場面がこれから広がるだろうと考えられます。それに伴い、救命士の信頼と責任の重みが増すことになります」と訓示を述べました。

 病院実習の意義と心構えについて、太田学校長はあらゆることを学習の機会ととらえ、救命士の役割を認識することが重要だとし、①実習で現実を忠実に教わる、②“生と死”を委ねられる立場であることを知る、③救命医療の責任性と倫理性を自覚する、④“仕事がやりがい”の意味を自覚する、⑤“生涯の仕事”としての価値が理解できる―という5つのポイントを強調しました。

 さらに救急医療体制の仕組みを知ることや、観察・判断・処置・管理の基本を学ぶこと、科学的な解析力と思考行動を身につけること、“医療者の心”を学ぶことーという病院実習の目標を確認しながら「すべてを吸収する気構えで望み、患者さんに最大限の感謝と敬意を示してください。“生と死”をしっかり見つめ、心に刻み込むことが大切です」と語りました。

  • 訓示する太田学校長

  • 祝辞を述べる宮川理事長

 また学校を運営する学校法人 新歯会東洋医療学園の宮川藤一郎理事長は、「皆さんが、立派な救急救命士になるという確かな目標を持って、日頃から真剣に勉強に取り組んでいることに敬意を表します。実習では、大変忙しい中でご指導をいただく先生や看護師、スタッフの方々に、心からの感謝の気持ちを持ち続けてください。東洋医療専門学校の学生としての自覚を持って積極的に実習に取り組み、大きく教育成果があがることを祈念いたします」と祝辞を述べました。

 この後、19期生を代表して昼間部2年生の吉岡大波さんと、夜間部2年生の中野千里さんが「私たちは充実した学習環境を生かし、高度な知識と技術、そして人間性を養ってきました。これからの病院実習を通し、救急医療に携わる医療従事者としての自覚を高めるとともに、人命を守るための強い意志と熱い思いを抱く救命士をめざします」と力強く決意表明をしました。

  • 吉岡さんと中野さんが決意表明

  • 講演する高橋均先生

医師と救命士の連携の重要性を強調 三和会永山病院の高橋院長

 徽章式の第2部では、学生の実習先にもなっている社会医療法人三和会 永山病院(大阪府熊取町)の高橋均病院長が、日本の医学史と世界の看護学史をふまえながら「救急医療における救急救命士の役割」というテーマで講演。

≪医学および医療は、病める人の治療はもとより、人びとの健康の維持、もしくは増進を図るもので、その責任の重大性を認識し、人類愛を基にすべての人に奉仕するものである≫
という医の倫理綱領について説明しました。

 さらに江戸時代に世界で初めて全身麻酔下での外科手術に成功した和歌山の医師、花岡青洲と、ペスト菌の発見や破傷風の治療法の開発で世界的に知られ、予防医学の必要性とその普及を唱えた北里柴三郎の2人の医師を紹介し、医療に対する情熱や責任感、人の命に向き合う真摯な態度について語りました。

 そのうえで、医師と救急救命士の役割について、基本的に医師不在の現場で活動することや、心肺停止や意識障害の場合の対応にかんする基本を確認しながら、医師と救急救命士の連携が地域の救急医療体制の中でいかに重要であるかを強調しました。病院実習に関しては、医師や看護師などの医療スタッフの仕事、連携のあり方を理解すること、病院における救急患者への対応の仕組みを知ること、救急患者への処置・診断の全体像を理解すること、救急の患者と家族に対するいたわりの心を養うことなど、学ぶべき内容を解説しました。

“巨大な竜巻により、けが人が多数出ている模様!東洋救急”、出動せよ!”

 第3部ではシミュレーション訓練が行われました。昼間部は、地下駐車場で「巨大な竜巻が発生し、局地的な被害をもたらした」との想定で、①交通事故、②建設現場の足場崩壊、③建物火災、④家屋倒壊、⑤避難所における救急―の5つのシーンでの訓練です。警察、救急救命士、救助隊、消防士、けが人、照明などすべての役割を救急救命士学科の2年生が担い、訓練全体の監督は大﨑聖敏先生がつとめました。家族や業界関係者だけでなく、他の学年の在校生や卒業生らも見守りました。

  • 訓練前に全員が整列!

  • 交通事故で車内の傷病者の対応にあたります

 交通事故を想定したシーンでは、“東洋救急”の8つの隊が出動。竜巻の影響で多数のけが人がいるとみられ、先着隊がいち早く現場に急行し、事故の概要など情報収集と現場の安全確保にあたり、すべての隊に連絡。その後けが人に接触する、という訓練を行いました。大きな声を出してコミュニケーションをとったり、無線で連絡を取り合ったり、緊張感がみなぎります。

 外傷によるCPA(心肺停止状態)の人に、胸骨圧迫やマスクを用いた人工呼吸、心臓の動きを強める薬の点滴などの救命措置をするチームや、車にはねられ骨盤を骨折、腹腔内で大量出血してショック状態の人のため、骨折部位の固定や輸血などを行う隊もあり、騒然とした雰囲気です。また事故の衝撃により肺が縮む開放性気胸の人に対して、一時的に病態を安定させる高度な処置を行う隊もあり、みんな真剣な表情です。

 建設現場の足場が崩壊した事故のシミュレーション現場には5隊が出動。高い場所で動けなくなった傷病者は、救助隊と連携してボート型担架に乗せロープを使って斜めに地上に下ろして救助。救急隊の“女性隊長”がテキパキ指示をしながら処置をしました。足を切断し大量の出血をしている人の対応も、“女性隊長”のリーダーシップでスピーディーに搬送。腹部にパイプが刺さってショック状態になっている症例では、出血しないようパイプを抜かずに固定して搬送し、長いパイプは搬送の妨げになるので救助隊がパイプを途中で切断しました。

  • 救助隊が舟型の担架でケガ人を下ろします

  • 足を切断した男性は早急に処置

一酸化炭素中毒、建物の下敷き、避難所での分娩…さまざまな対応の訓練

 建物火災の訓練では、5人の救命のため5隊が出動。炎から逃れ2階の窓から自力で脱出して転落した父親は、重度の熱傷と2カ所以上の肋骨骨折、避難の最中に階段から転落した8歳の女の子は骨盤骨折…。症例ごとにさまざまな対応が求められます。「一酸化炭素中毒によるCPAに移行」という症例にも色んなパターンがあり、全身観察をして状態を把握する力が求められます。肋骨圧迫の人手を少なくして別の処置に集中するため、自動で圧迫をする機械を使いました。

  • 火災から逃げ遅れた人を助ける救助隊

  • 一酸化炭素中毒の人を処置します

  • 倒壊現場で救助隊や救急隊は瞬時に情報共有

  • 下敷きになっている人の対応

 家屋倒壊を想定した訓練では、下敷きになって身動きが取れない人の救出活動が目を引きました。医師などでは対応できないので、救命士の資格を持った救助隊が必要です。ヘッドランプを頼りに狭い空間で救命処置をする様子は緊迫感があふれていました。現場には5隊が出動し、2人のけが人の処置をするチームもありました。避難所の救急事案では分娩の訓練も。“女性隊員”が妊婦に寄り添い、出産のサポートをしました。避難所では喉に食べ物がつまり心肺停止になった高齢者や、くも膜下出血の発症、持病の糖尿病による低血糖、避難生活で起きやすい脳血栓・脳塞栓症の対応に当たりました。

  • 救急救命士は緊急時に分娩介助もできます

  • 避難所では様々な症例が想定されます

  • 夜間部学生のCPA対応訓練

  • 意識不明のバイクの男性に救命処置をする夜間部の訓練

 一方、夜間部の学生40人はホテルの別のフロアで、シミュレーション訓練を実施しました。やはり救急隊や救助隊、医師、傷病者、家族などの役割をすべて2年生が担当。救急隊は4隊に分けて出動し、①心肺停止状態(CPA)の傷病者への対応、②心肺停止前の処置として、血液を流れやすくするため、医師の指示の下で静脈路確保と輸液の点滴、③低血糖状態が認められる傷病者の救急事案で、医師の指示によるブドウ糖の点滴、④バイクと車の衝突事故で、バイクから投げ出され意識不明となった男性の処置など、交通事故の対応―との場面設定で訓練にあたりました。

1人でも多くの人の命を救える救急救命士に

 日本は、台風や豪雨、土砂崩れ、大地震‥‥どんな災害がどこで起きても不思議ではありません。死亡者や多数のけが人が出た竜巻も発生しています。今回のシミュレーション訓練で、抜群のチームワーク、見事な救助・救命活動を披露してくれた学生たち。どんな状況に遭遇しても冷静に対応し、1人でも多くの命を救える救急救命士になってほしいと思います。

  • 訓練終了後、隊列を組んで駆ける学生

  • 家族や関係者に感謝の言葉を述べました

PAGE TOPへ