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神戸滋慶学園卒業式 澤村校長「国際的に活躍できる人材になって欲しい」

卒業式で「国際的に活躍できる人材になって欲しい」と、卒業生に語りかける澤村学校長(ホテルオークラ神戸)

 学校法人神戸滋慶学園の神戸医療福祉専門学校(中央校、三田校)と神戸製菓専門学校の「平成25年度合同卒業式・修了式」が3月19日(水)、鍼灸、義肢装具、整形靴、福祉施設、製菓分野など各界のリーダーを来賓に迎えてホテルオークラ神戸で行なわれました。中央校総代の介護福祉士科、宇山優依さんと三田校総代の整形靴科、吉田真也さんら447名に覚野博夫・中央校校長から卒業証書、専攻科修了証書が授与されました。

 3校を代表して、ベトナムの結合双生児、ベトちゃんドクちゃんのドクちゃんに義足を作ることにも関わり、世界でも有数のリハビリテーション医として知られる兵庫県立リハビリテーションセンター顧問、国際義肢装具協会(ISPO)元会長の澤村誠志・三田校校長が式辞を述べました。

「本日は滋慶学園グループの教育理念から私自身が学んだ3つの柱について改めて述べたいと思います。一つは、人間として生まれたからには目標を持って前に向って行きたいということです。主体性をもって物を考えたいということです。ですから皆さんにも世界的なパティシエになって欲しいと思うし、鍼灸師もそうだし、理学療法士もそうです。国際的に活躍できる人材がこの学校から巣立って欲しいと願っています。

卒業証書を授与する覚野校長卒業証書を授与する覚野校長
菓子業界のトップをはじめ各界からのご来賓菓子業界のトップをはじめ各界からのご来賓
会場風景会場風景

 特に4年制義肢装具士のカテゴリー1の資格制度によって、国際資格を取って国際的に活躍できる場を作って行きたいと思っています。日本で初めての試みであり、是非成功させたいと思っています。6月にはグローバル・エデュケーターズ・ミーティングといった世界の義肢装具の学校の先生方に集まっていただく世界で最初のミーティングも実施する予定です。

 2番目に大事なことは、相手の立場に立って考えることと同時に、これから多くの障害をもった方々に接するなかで、気性の難しい患者さんに出会うでしょうが、そういう方こそ学べることが多いのだということを覚えておいて欲しい。そういう人たちから学ぶ姿勢を持って欲しいと思います。

 3番目には滋慶学園グループの素晴らしいテーマである『今日も笑顔で挨拶を』にあるように、笑顔を忘れないで下さい。

 私は19歳の時に、父が足を断裂。何とかしたいと義肢装具士を目指しましたが、当時の日本には学ぶ所はなく、結局整形外科医となって神戸市と姉妹提携したばかりのアメリカに渡るチャンスを見つけてシアトルに単身赴任しました。

 しかし義肢について学ぶ機会がないまま、連日、早朝から深夜までの激務と慣れない英語圏での生活と苦闘が続きます。しかも戦後間もない頃で、ジャップと呼ばれて悔し涙を流すこともありました。それでも頑張っていると、ついにカリフォルニアでの義肢の研究のチャンスに恵まれ、念願の義肢装具について学ぶことができました。

 帰国したあとは、兵庫県を中心に足を失くした人たちの救済にあたり、やがて国際的な活躍の場も得られることになっていきましたが、苦しいアメリカでの生活に耐えられたのは、いつも義肢装具を勉強に来たのだという気持ちを強く持っていたことと、人間関係を大事にしてきたことが大きかったと思います」。

 このように自らの体験を披露した澤村校長はさらにサミュエル・ウルマンの詩『青春』を紹介し、いくつになっても目標を持って社会人として立派に仕事をして欲しいと卒業生に訴えました。

浮舟総長「プロとして仕事を通して成長して欲しい」

滋慶学園グループを代表して祝辞を述べる浮舟総長滋慶学園グループを代表して祝辞を述べる浮舟総長

 また滋慶学園グループの浮舟邦彦総長は次のような言葉を贈りました。
 「皆さんは入学式の時とは人が違うような、プロの身構え、気構え、心構えの出来た卒業生としてここに臨んでおられます。多くのイベント、ボランティア、実習、臨床実習、海外研修、卒業研究、クープ・ジケイなどの中で即戦力の技術を習得し、鍛えられ、今日の卒業式に臨んでおられます。それは決して簡単なことではなかったでしょう。時には目的・目標が見失われそうになったかも知れません。東日本大震災の直後に入学されてきた3年制の皆さんもおられます。今日の卒業式は真のスペシャリスト、真のプロとして、キャリアを開発していくスタートにすぎません。卒業式は英語ではCommencement Exercisesといい、これから実習が始まるのだといいます。

在校生代表による送辞在校生代表による送辞
三人の校長に答辞を読む卒業生代表三人の校長に答辞を読む卒業生代表

 プロがプロとして成長していくのには一つの原則があるように思えます。それは仕事を通して成長していくということです。失敗もあるでしょう。失敗を通して成長していくということです。その経験の多さが皆さんをプロにしていくわけです。どうか、楽しく仕事に接して欲しい。自分の仕事に誇りを持って下さい。学びの習慣を続けて下さい。多くのことに気づき、それを自分の物にしていってください。

 ISPO第1回世界教育者会議が6月25日から27日まで三田校を中心に行なわれます。卒業生の皆さんもぜひ参加し、成功させていただきたい。その延長線上に学び続けるということをしって下さい。様々な人たちとのネットワークを財産として大切にして下さい。明日からの仕事によし!やるぞという気概をもって、仕事に対して忠実に、根気良く、誠実に一歩を歩みだしてください」

上村さんと西尾さんが答辞「立派な社会人、職業人となります」

祝歌を熱唱する在校生らによるゴスペルアンサンブル祝歌を熱唱する在校生らによるゴスペルアンサンブル
ホテルの庭園で学科ごとに記念撮影ホテルの庭園で学科ごとに記念撮影

 このあと、各賞表彰が行われ、校長賞が神戸製菓専門学校製菓衛生師科の明石育恵さんら3校の14名に武田寿子校長から贈られたのをはじめ、優秀賞15名、努力賞14名がそれぞれ表彰されました。また皆勤賞が製菓本科の山下莉奈さんら64名に、精勤賞が255名に、また各業界団体からの賞などがそれぞれ贈られました。さらにJESC奨励賞が卒業研究として「長下肢装具に付属する歩行補助デバイスの検討と開発」を行なった三田校義肢装具士科の阪口篤士さんと、洋菓子研究「アレルギー素材を使用していないフランス菓子」を作成した神戸製菓専門学校製菓本科の岩﨑優さんら4名に贈られました。

 最後に、在校生代表から「患者やお客様から信頼されるプロになってください」という送別のメッセージが贈られ、これに応えて、中央校の上村麻衣子さんと神戸製菓の西尾翔太さんが「立派な社会人、職業人となります」と答辞をそれぞれ読み上げ、決意を新たにしていました。