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超高齢化社会で高い求人倍率 新大阪の歯科技工士、歯科衛生士246名が旅立ち

 技工士、衛生士ともに歯科業界は学生の“売り手市場”。全国から求人が寄せられ、就職率は、“実質100%”
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 春まだ浅き3月23日(水)、滋慶学園グループの掉尾を飾ってルーツ校である学校法人新歯会東洋医療学園卒業式の第一日目として、新大阪歯科技工士専門学校と新大阪歯科衛生士専門学校の「平成27年度卒業証書等授与式」が大阪市淀川区のガーデンパレス大阪で行なわれ、2年制と3年制の卒業生と専攻科の修了生合わせて246名が卒業しました。

 今年の両校の専門課程の卒業生の就職率は、進学希望者などを除き、歯科衛生士学科が100%、歯科技工士科が97.6%です。超高齢社会の到来で歯科の需要は高まり、歯科の現場では人材不足が起きています。学校に寄せられる求人件数もうなぎのぼりで、大阪をはじめとする近畿はもとより全国に及んでおり、歯科衛生士学科で18.5倍、歯科技工士科で8.6倍となっています。歯科技工士科は、あと2名の就職を残すばかりとなっており、「条件の調整が解決すれば、3月末までには卒業生全員の就職が決まるでしょう」(キャリアセンター)という状況にあり、両校とも極めて高い就職率となっています。

卒業証書、皆勤賞などが各総代に授与されました

  • 作田学校長から卒業証書と専門士称号を授与される新大阪歯科衛生士専門学校の卒業生総代の松村さんと村田さん。就職も決まり、晴れ晴れしい表情でした

  • 建学以来の重要な賞の一つ、「皆勤賞」を総代として受ける新大阪歯科技工士専門学校Ⅱ部の三吉さん

 「つながる手 未来へ」のテーマで行なわれたこの日の卒業式では、 “一人一人を大切に”との思いから卒業生全員の名前を学科の責任者が読み上げたあと、大阪大学名誉教授の作田守学校長から、総代の新大阪歯科技工士専門学校Ⅱ部の大橋慶一さんと同Ⅰ部の安部侑那さん、新大阪歯科衛生士専門学校昼間部の村田麻衣佳さんと同夜間部の松村美左子さんに、それぞれ卒業証書と専門士称号の授与が行なわれました。
 また、専攻科総代の阿波和彦さんに修了証書が贈られました。

 続いて、両校合わせて59名に無遅刻無欠席の者に与えられる栄えある皆勤賞が、97名に精勤賞(欠席が3年制5日以内、2年制3日以内)がそれぞれ贈られました。滋慶学園グループのルーツでもある新大阪歯科技工士専門学校では、1976年の開校以来、無遅刻無欠席を称えるこの「皆勤賞」を最も意義ある賞の一つとして位置付けています。
 3年間無遅刻無欠席で仕事と勉学の両立を果たした、歯科技工士科Ⅱ部の三吉貴大さんが総代として登壇、作田学校長から「よく頑張りましたね」と皆勤賞が贈られると、式場から割れんばかりの大きな拍手が沸き起こりました。

作田守学校長告辞

告辞を述べる作田学校長

 学校長告辞に臨んだ作田学校長はまず、「わが国の経済の好循環が期待されていますが、日本経済は十分に回復したとはいえない時期にこの卒業式は行なわれています。しかし両校の卒業生は十分、余りある求人数に恵まれ100%が就職し、社会に巣立たれることは大変、おめでたいことです。滋慶学園グループの掲げる『職業人教育を通じて社会に貢献する』という使命がいかに大切かということを如実に表していることと思います」と、卒業生が“金の卵”として、近畿をはじめ、全国各地の歯科医院や歯科技工所、歯科をもつ病院などで人の健康に関わる仕事に着くことが出来たことを喜びました。

 また作田学校長は、2014年4月に歯科系専門学校として、文部科学省が産業界と連携したより実践的な専門学校として認定する「職業実践専門課程」にいち早く認定されたことに触れ、「こんな素晴しい実績のある学校で学べたことへの誇りを持って社会に旅立って欲しいと思います。今日が勉強の終わりではなく、これからが本当の勉強の始まりです。皆さんの職務では様々な進歩により、その変化に対応した仕事が求められます。このことを十分に認識して卒業後も勉強をおろそかにせず、新たな技術、知識を自分の仕事に反映してキャリア形成に繋げていただきたい」と述べました。

 さらに歯学博士でもある作田学校長は、2013年度から2022年までの10年間にわたり適用される厚生労働省提唱の「健康日本21」(二次)に触れ、「その中心課題は健康寿命の延伸です。日本の平均寿命は伸びていますが、高齢になっても元気で生活の質を落とすことなく、人生を全うして欲しいという願いが中心課題として据えられています。皆さんが選んだ仕事は、人の歯を通じて健康寿命の延伸に密接に関わる大切な仕事です。
 このことは多くの研究報告で示されています。皆さんが専門家としてこれから活躍しようとする職業の重要性がこれで分かります。皆さんが取組む親切、丁寧な仕事はそれを恩恵として受ける患者さんから感謝されることにつながります。その結果、専門家として皆さんは世の中から高い評価を受けることになります。ですから皆さんは、これからの職業に大いにやりがいを感じるし、そのやりがいは、皆さんにとって明日の仕事への意欲をかきたてる大きなエネルギー源になると確信しています」と言葉を贈り、「卒業生がこれから取組む職業なくしては、世の中の人々の綺麗な歯、また笑顔を期待することは出来ません。だから、もし困ったことに遭遇したら、『今日も笑顔であいさつを!』という学校の標語を思い出し、自分の笑顔を取り戻しにいつでも学校に相談に来てください」と、卒業生を激励しました。

歯科技工・岡本さんと歯科衛生・松村さんに大阪府知事賞 各賞が授与されました

浮舟総長から前田祐希さんに総長賞が贈られました

 在学中に優秀な成績を修めた卒業生に、大阪府知事賞や理事長賞、学校長賞、滋慶学園グループ総長賞など各賞が授与されました。

 歯科技工士科(Ⅱ部)の岡本奈緒美さんと、歯科衛生士学科夜間部の松村美左子さんに大阪府知事賞が贈られたのをはじめ、日本歯科技工学会第37回学術大会で「CAD/CAM用レジンブロックとセメントとの接着性について」のポスター発表を行った新大阪歯科技工士専門学校専攻科の秀村友芽香さんら5人に同学会長名の優秀発表賞が、また滋慶教育科学研究所奨励賞が「インフルエンザ発症と口腔ケアとの関わり」を卒業研究として発表した新大阪歯科衛生士専門学校昼間部の山田恵理さんらに贈られました。

宮川藤一郎理事長祝辞

祝辞を述べる宮川理事長

 滋慶学園グループ副理事長で、両校を運営する学校法人新歯会東洋医療学園の宮川理事長が祝辞を述べました。宮川理事長は「今、世の中は変化の激しい時代、またグローバルな環境の到来と、このような時代は専門的な知識を身につけておく競争優位性が大切です。皆さんはまさに医療系の国家資格のある専門性の高い、また社会性の高い立派なお仕事をめざして真剣に在学中に努力をされ、晴れて卒業の日を迎えられましたことに心から敬意を表します」と述べた上で、これからの世の中で求められる社会人基礎力として、①前に踏み出す力、②在学中に問題解決指向型のPOS教育システムで学んできた「考え行動する力」、③チームワーク力が大事だと述べ、コミュニケーション力やセルフマネジメントを習慣化させ、医療系の評価の高い仕事に就く以上、質の高い職業観、社会観を育むように求めました。

「職業実践専門課程」にふさわしく歯科医療界の代表にご臨席いただきました

 この日の式典には、一般社団法人大阪府歯科技工士会の時見高志会長や公益社団法人大阪府歯科衛生士会の丸山直美会長、一般社団法人淀川区歯科医師会の菅原利夫会長ら、「職業実践専門課程」の運営にもご協力いただいている歯科医療団体の御代表らにご臨席いただき、本校卒業生でもある時見会長と、歯科衛生士会の丸山会長からご祝辞をいただきました。

  • 大阪府歯科技工士会の時見会長

  • 大阪府歯科衛生士会の丸山会長

一般社団法人大阪府歯科技工士会、時見高志会長のご祝辞

 少子化、超高齢化社会という中におきまして、歯科医療のもつ役割は益々高くなってきています。歯科技工に関しましては、この国のどんなに山深い山間部であろうとも、離れ小島であろうと、口腔内に歯科技工物や歯科補てつ物が入っていないという患者さんはほとんどいないというぐらい、歯科技工士は歯科医療、社会に貢献しています。そういうプライドを持って、社会に出てから貢献していただきたいと思います。
 卒業後は、学校で学んだことを繰り返し、繰り返し業務としてやっていきますが、その身につけた知識、技術は皆さんそれぞれの個人の財産です。これは誰からも奪われることはありません。失敗は専門職である限り許されませんが、一度や二度の失敗は誰しもあることです。失敗した時に一番大事なことは、なぜ失敗したかということを考えて、次にそれを生かしていくことが大事かと思います。
 我々の会には、生涯研修制度があり、ぜひとも入会していただき、一緒に学び社会に貢献していきましょう。

公益社団法人大阪府歯科衛生士会、丸山直美会長のご祝辞

 卒業される歯科衛生学科の皆様には、入学まもなく歯科衛生士についてお話する機会がありました。感想文には、働く歯科衛生士の人数のことや歯科衛生士会の歴史が長いことに大変驚いていらっしゃる様子が書かれていました。
 4月から晴れて歯科衛生士として社会人になる皆様は、勤務先で早く仕事を覚えて業務をこなすことが必要なことですが、加えて、歯科衛生士の仕事の中で、また歯科技工士の仕事の中で、毎日の仕事の楽しさを見つけていただくことをお勧めします。これらは人から与えられるものではなく、自分で感じて見つけていくものですから、時間がかかるかも知れません。しかし、やりがいを感じると、何事も前向きに考えることが出来ますし、同じところで働き続けることで、スタッフや患者さんから信頼と安心感を持ってもらえます。
 人を対象とする歯科衛生士の業務は、仕事の成果がすぐに現れることはなく、継続して出てくるものです。口腔衛生指導の方法も一つではなく、相手によって変え工夫することをしなくては、良い結果が得られません。
 私は歯科衛生士の仕事が大好きで卒業して30年近くになります。職場は何度か変わっていますけれども、歯科衛生士の仕事をやめたいと思ったことはありません。続ければ、続けるほど、仕事は奥が深くやりがいを感じます。
 
 歯科衛生士会は、皆さんが生涯の仕事として長く仕事を続け、より多くの人に歯、口の健康が大切なことを伝えていただき、人々の生活の向上を考え、他の職種の人と協働するために、色んな応援をしています。地域での健康教室の仕事を提供し、研修会は年20回ほど開催、最新情報や技術を提供しています。先ほど研究成果で表彰された皆様も、これからも歯科衛生士、歯科技工士の仕事がこんなに成果があるのだということを形にして、発表していただければいいなと思っています。
 今、歯科衛生士の活躍する場所は増えてきていますが、生活の中でまだ口に関する優先順位は低いです。私たちは口腔の専門家として、早く健康の大切さを人々に伝え、歯科のスタッフが関わることで、どんな効果が得られるかということを発信できるようになりたいと常に思って、日々努力しています。皆様も様々な経験を積んで周りの人と連携していい仕事をしていただきたいと願っています。歯科界は歯科医師の先生をはじめ、歯科技工士、そして歯科衛生士が協働してお口の中の健康を守っていかなければ成り立ちません。ぜひ協力して良い仕事をしていきましょう。

浮舟総長 「自利利他、相手の立場に立って考えるサービスマインドを持つことが重要」

グループを代表して祝辞を述べる浮舟総長

 卒業生の皆さん、皆さんは歯科技工士になる、歯科衛生士になる目的を持ってこの学校に入学してこられました。しかしその選択はしっかりと出来ていた人もおれば、色々迷った中で選択をされてきた方もいらっしゃると思います。少なくとも将来、自分はどの仕事で社会に貢献していこうかな、どの仕事で社会人となっていこうかなと、そういう自分の将来のキャリアということと結び合わせて考えたはずだと思います。
 皆さんは滋慶学園グループが掲げる実学教育、人間教育、国際教育の理念の下に、歯科技工士としての技術、知識、歯科衛生士としての技術、知識をしっかりと身につけられ、今日この卒業式に臨んでおられます。将来のキャリアを開発していくための基本、基礎が出来上がったわけです。
 このスペシャリティを皆さん、お一人お一人がこれからキャリア開発していかなければなりません。キャリアアップしていくことが必要になってきます。それは明日からの皆さんの職場に於いてです。仕事を通してです。プロは仕事を通して成長していきます。明日からの皆さんの新しい職場が皆さんの教室、道場になるはずです。どうか仕事を通して成長していくのだという思いを持ってください。そのためには仕事を好きになってください。また仕事を大切にしてください。

 私は滋慶学園グループに入職されてこられる方々に毎年、サービスマインドを持って欲しいと言います。また採用にあたっては、サービスマインドを持っている方を採用するようにしています。サービスマインドは笑顔であいさつすることがベースです。そして相手の立場に立って、考えることの重要性です。「自利利他」という言葉があります。自分の利益だけではなく相手の立場も考えてみる。そのことの大切さ、それがサービスマインドです。
 もう一つ、ベンチャースピリットを持って欲しい。仕事を始めると、必ず問題がついてきます。問題の起こらない仕事はないでしょう。問題は新しいイノベーションの原点です。だから問題から避けて逃げる、あるいは問題を先送りするのではなく、その問題に対してどう解決していくか、そのちょっとしたベンチャースピリットを持って欲しいのです。冒険心を持って欲しいと思っています。どうか、この仕事だけは誰にも負けないぞ、そういう仕事を自分のものにして下さい。
 そして皆さんはまた、国家試験に対して、あるいは自分の学んでいく技術、知識に対して、多くの関心を持ちました。学ぶ習慣を身に付けました。それを続けてください。そして皆さんは、歯科技工士会、歯科衛生士会に入会し、歯科医療業界のために尽くしてください。歯科技工士会、歯科衛生士会が行う学会、研修会に積極的に参加し、学び続けてください。
 学校も卒後研修を行なっていきます。まさにスペシャリストは生涯教育がキーワードになっていきます。学び続ける努力が大切です。より高いレベル、周辺のレベル、周辺の技術、知識、資格に、あるいはマネジメントということに関心を持ってチャレンジしていって下さい。

  • 祝歌を演奏するゴスペルアンサンブル

  • 楽しかった学園生活の思い出が写しだされました

 新大阪歯科技工士専門学校新大阪歯科衛生士専門学校、大阪医療福祉専門学校、東洋医療専門学校、大阪スクールオブミュージック専門学校の学生からなるゴスペルアンサンブルが園田先生の指揮でお祝いの歌「翼を下さい」を贈りました。

 
 最後に卒業生を代表して、新大阪歯科衛生士専門学校昼間部11期生の村田麻衣佳さんがお礼の言葉を述べました。

卒業生代表、村田さんが謝辞 「医療の道の険しさを痛感しました…」

 村田さんは、3年間の勉学や学園祭「淀川祭」での楽しい思い出を語った後、「私たちにとって、一番重く重要な時間となった長きにわたる現場での実習、教科書だけでは分からない患者さまとの接し方、現場の雰囲気は私たちの歯科医療の学びを深めてくれるものでした。
 学生同士で何度も実習を重ねたにも拘わらず、初めての臨床現場ではうまく行動することができませんでした。自分の至らなさに涙することもありました。それでも実習先の先生方や教務の先生方は私たちの努力を認めてくださり、さらに不十分な点については、歯科医療のあらゆる角度から貴重なアドバイスをしてくださいました。そうした毎日を過ごしていくうちに少しずつ充実した実習へとつなげていくことができました。長い学校生活の中で先生方に厳しいご指導を頂くこともあり、医療の道の険しさを痛感し、自分の無力さにいらだつこともありました。時には支えてくれた家族にも辛く当たってしまい心配をかけたことがありました。また、自分と同じように苦しんでいる友人を手助けすることが出来ず、自分自身をはがゆく思うこともありました。

お礼の言葉を述べる卒業生代表の村田さん

 自分の生活の中での大部分を占める試験、実習という大きなものに何度も押しつぶされそうになり、自分の選んだ道は本当に正しかったのだろうかと葛藤し、やめてしまいたいと思ったときもありました。しかし、そのような時は、教務の先生方が親身になって話を聞いてくださり、温かい言葉をかけて下さいました。そして何よりも共に頑張っている友人たちの姿に背中を押され、励ましあい、ここまでたどり着くことができました。
 これから私たちが携わる歯科医療という職業は近年、より高度な技術が求められる専門分野として注目されています。しかし、どんなに医療が高度化しても、人の心はたった一つのものであり、かけがえのないものだということは変わりありません。そのことをしっかり心に留めて本校での学びを生かし、今後も精進していきたいと思います」と結びました。

 このあと、全卒業生は回れ右をして、会場後方を埋めた家族に深々と一礼し、式を終えました。