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大阪ハイテクノロジー専門学校 創立以来30回目の卒業研究・課題研究発表会を開催 優秀研究など32題発表しました

2017.02.02

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国の重文に指定されている大阪市中央公会堂で行なわれた大阪ハイテクノロジー専門学校の「平成28年度卒業研究・課題研究発表会」

 滋慶学園グループ各校では、卒業研究・制作発表会や進級制作発表会の本格的なシーズンを迎えています。

 厳しい冬の寒さが少し弛んだ1月27日(金)、大阪市北区にある国の重要文化財の大阪市中央公会堂で大阪ハイテクノロジー専門学校の「平成28年度卒業研究・課題研究発表会」が開催されました。専門領域への探究心を養うと共に発表を通して成果をまとめる力やプレゼンテーション力、チームで協力する力などを身に付けて貰おうと創立以来、行なっているもので、同校は今年が創立30年。全在校生と教職員はもちろん、沢山のOBや関係者の方々が参加する記念の第30回研究発表会となりました。
 
 

開会の挨拶を行なう近藤雅臣学校長開会の挨拶を行なう近藤雅臣学校長

 午前中は、女性の貧血症対策として鉄分を増加したモヤシの開発に取り組んだ、生命工学技術科バイオサイエンス専攻、山田悠貴さんの研究「無自覚性貧血対策製品の開発を目的とした食用野菜への鉄の添加検討」など7つの研究発表をはじめ、生命工学技術科ロボット専攻から4研究、臨床工学技士科(昼間部)から7研究、スポーツ科学科から3研究、柔道整復スポーツ学科から5研究の全26研究が一般演題として大会議室などで発表が行なわれました。

 午後からは、女子学生の司会進行で、壮麗な内装を施した大集会室で優秀研究の発表が行なわれ、近藤雅臣学校長の開会の挨拶に続いて、各学科専攻からノミネートされた研究取り組みの中から選ばれた優秀研究6題が発表されました。

治療薬の開発をめざす基礎研究や小中学生用のロボット工作教材の開発など

 全校学生と教職員、大勢のご来賓の方々が見守る中、まずトップバッターとして、生命工学技術科バイオサイエンス専攻の山口真奈美さんが研究に取り組んだ「アミノ酸トランスポーターAsc2の未同定重鎖サブユニットの探索」を発表。

優秀発表のトップバッター、生命工学技術科の山口さん優秀発表のトップバッター、生命工学技術科の山口さん

 山口さんは、新たな治療薬の開発につなげようと、細胞膜に局在する膜輸送体トタンスポーターの機能解明に取り組み、ラットを使って精製融合タンパク質を抗原として得られた抗血清からAsc2抗体を精製、腎臓膜画分におけるタンパク質としてのAsc2の発現を確認、Asc2が未知の重鎖サブユニットとジスルフィド結合によって複合体を形成している兆候を発見しました。今後、この抗体を用いた免疫沈降実験によって、重鎖サブユニットを同定し、この複合体の機能解析を行なうことで、Asc2の腎臓内での生理的機能の解明を目指したいということです。

 最初の優秀発表者として壇上に立った山口さんは、やや緊張気味でしたが、研究内容を分かりやすく伝えたいと自ら作成した図や写真などをふんだんに使った資料を示しながら、1.はじめに、2.実験方法、3.実験結果と考察、4.まとめ、の順に堂々と説明を加え、最後に指導を受けた大阪大学大学院医学系研究科生体システム薬理学教室の金井好克教授らへの謝辞を述べ、大きな拍手を浴びていました。

 続いて、臨床工学技士科の松岡弘貴さんら7人のチームが腎不全患者への透析治療で処理される廃液の熱をヒートパイプを使って供給液に移すシステムを開発、機器の電気代節減に結び付けようと取り組んだ「ヒートパイプを用いた、透析液廃熱利用への取り組み」や、市民ランナー男女248名を対象に肌の水分量や油分量を測定し、適度な運動習慣が肌に良い影響を与えるという調査データを得たスポーツ科学科の「運動習慣と生活習慣が顔面表皮の水分量に及ぼす影響について」、手づくりで「肩関節モデル」を作成、クラスメートの90.6%が「勉強の役に立った」と回答した柔道整復スポーツ学科の女子学生2名の研究発表「肩関節脱臼モデルの作成~学習効果の検証」など3演題が行なわれました。

  • ロボット工学技術科の山中さん

    ロボット工学技術科の山中さん

  • 臨床工学技士科チームの発表

    臨床工学技士科チームの発表

  • 日本語学科の中国留学生チーム

    日本語学科の中国留学生チーム

透析患者のための治療機器節電システムの開発や検知型・安全機構の作成など

 休憩を挟んで、CADソフトと3Dプリンターを使ってミニ4駆のラジコンカーを自ら作成、小学生や中学生に安価で手軽なロボット工作教材を提供できることを証明した上で、今後はクラウドファウンディングを利用してキット化をめざしたいという生命工学技術科ロボット専攻の山中隆行さんの「子供向けの取り組みが安易な教材の開発」や、心肺の働きを補助する装置の一種「PCPS」をより安全に管理できるようにと、駆動音の異音検知器と回路内圧の測定回路を作成し、評価実験に取り組んでいる臨床工学技士科の「補助循環装置に対する、検知型・安全機構作成への取り組み」が発表されました。

中国人留学生が臨床工学技士の先輩の声をまとめて発表

 さらに特別演題として、中国の提携大学から臨床工学技士をめざして大阪ハイテクノロジー専門学校に留学、連携教育プログラムの一環として日本語学科で学ぶ中国人留学生11名が「医療の国際化~真のグローバル臨床工学技士を目指して~」を発表。日本語の「聞くこと」「話すこと」の難しさや、日本では「空気を読む」といった文化の違いから来るとまどいなど、日本の病院で働く先輩留学生から寄せられた“声”をまとめて報告、「先輩が切り拓いてくれた道を進み、日中の架け橋になりたい」と力強く訴えました。

  • 質問をぶつける在校生

    質問をぶつける在校生

  • 応答する臨床工学技士科チーム

    応答する臨床工学技士科チーム

 各学生チームの真剣で苦労や努力が垣間見える発表が終わるたびに、会場からは大きな拍手が起こり、質疑応答が行なわれました。上級生や下級生、さらには病院の臨床工学技士やバイオ技術者をはじめ各方面で活躍されている来賓の先生方から「日常の仕事の中で悩んでいた問題だ。実現可能性のある研究だと思うので頑張って欲しい」、「沢山の人にインタビューを行い努力は認める。他に紫外線などの影響は考えられないか」、「男の子の喜びそうなプロジェクトだが、授業時間は何時間程度を考えているのか」、「臨床の患者さんの状態を管理するのに助かる研究だ。ぜひ製品化し臨床で使えるまで持っていって欲しい」といった質問やアドバイスが寄せられ、学生たちは即答できないケースもありましたが、ほとんどの質問に対して、研究過程を思い出しながら、落ち着いて回答を行なっていました。

上海中医薬大学の学生が医療用の新機器を発表 30回記念発表会を彩る

上海中医薬大学の学生によるオブザーバー発表上海中医薬大学の学生によるオブザーバー発表

 発表の最後に30周年を記念して、大阪滋慶学園が提携する中国・上海中医薬大学学生の沈婧蕾さんと張君鈺さんが登壇、オブザーバー発表を行いました。二人は、人体のツボを見つけて刺激を与える新しい機器の開発について発表。新機器はブルートゥースを介してスマートホンからコントロールできる上、小さくて携帯し易く、データもAPPを使ってスマートホンに保存できると紹介。さらに現代人のストレス解消に役立ち、上海工業博覧会にも出展し注目を浴びたと発表、今後の課題として、この機器は若者向けなのでお年寄りに対する在宅ケアでいかに使ってもらえるかを考えなければならないと結び、中国の医療界がIT技術を積極的に取り入れている現状を紹介し、大きな拍手を浴びていました。

総評を行なう日刊工業新聞社の竹本大阪支社長総評を行なう日刊工業新聞社の竹本大阪支社長

 すべての発表終了後、日刊工業新聞社の取締役西日本担当、竹本祐介大阪支社長から総評を行なっていただきました。同支社長は、業界動向を交えながら、それぞれの研究発表について論評を加えたのち、「プロフェッショナルをめざしている皆さんならではの発想の面白さがあった。即戦力を身につけることは大事だが、プロとして社会に貢献していくには、この卒業研究に取り組んだ思いを忘れずに、卒業後も使命感を持ってたゆまぬ努力を続け研鑚していっていただきたい」と激励の言葉をいただきました。

 閉会にあたって、学生代表の謝辞に続いて、奥谷和哉教務部長が「我々教職員が学んで欲しいと願っていることは、プレゼンテーション能力の向上はもちろんですが、問題を発見する能力だとか、情報を集める能力だとか企画能力、さらに協働する能力です。本日の発表を聴いて、皆さんの成長を肌で感じることも出来ました。今後はこの経験を糧にそれぞれの道で邁進して下さい」と締めくくりました。

  • 謝辞を述べる学生代表

    謝辞を述べる学生代表

  • 閉会の挨拶を行なう教務部長

    閉会の挨拶を行なう教務部長

【優秀演題】
・「アミノ酸トランスポーターAsc2の未同定重鎖サブユニットの探索」
  生命工学技術科バイオサイエンス専攻 山口真奈美
・「ヒートパイプを用いた、透析液廃熱利用への取り組み」
  臨床工学技士科 松岡弘貴、伊藤健介、樋口政則、長久花菜、青山隼也、村田裕樹、久保健也
・運動習慣と生活習慣が顔面表皮の水分量に及ぼす影響について
  スポーツ科学科 宮原大樹、西川朋希、深村駿、大野純、松浦卓
・肩関節脱臼モデルの作成~学習効果の検討~
  柔道整復スポーツ学科 安田睦、堤美沙
・子供向けの取組みが容易な教材の開発
  生命工学技術科 ロボット専攻 山中隆行
・補助循環装置に対する、検知型・安全機構作成への取組み
  臨床工学技士科 西地礼、玉置真也、羽田直人、松井秀之、山本寛之、吉井浩人、西岡紘也、山岡翼
【特別演題】
 「医療の国際化~真のグローバル臨床工学技士を目指して~」
  日本語学科 解保徳、呉軒鵬、呉棣、姚雲峰、劉嘉偉、黄超、施政豪、王超杰、褚国夫、陳奕飛、馬積文
【オブザーバー発表】
 「蓝牙经络检测穴位电刺激仪」
  上海中医药大学(上海中医薬大学) 沈婧蕾、张君钰

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