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滋慶医療科学大学院大学 8期生の入学式 木内新学長が「『なぜ』を考えて欲しい」と訓辞

滋慶医療科学大学院大学の入学式で訓辞を行なう木内新学長

 なぜ医療ミスがおこるのか、なぜ防止策が取れなかったのか、「なぜ」を考えて欲しい-。日本で唯一、医療の質と安全の向上を探究する滋慶医療科学大学院大学の「平成30年度 入学式」が4月1日(日)、大阪・新大阪の同大学院大学学舎で行われ、新しく着任した木内淳子学長が、職場や家庭を持ちながら学ぼうという強い意志をもって大学院の門をくぐった20人の新入生に訓辞を行ないました。

 近年、臨床現場で益々重要性が増している麻酔学の専門医であり、滋慶医療科学大学院大学の教授でもある木内学長は、やや緊張しながら居住まいを正す新入生を前に「医療の質向上への課題は山積みです。東北大震災の2011年に開学した本大学院が目指すのは、医療安全学の研究推進とともに、その実践を担うリーダーの養成です」と、大学院の設立趣旨を改めて明確にしました。その上で自らの臨床経験や学問への取り組みを紹介しながら、「これまでの縦割り型の教育だけではなく、これからは多職種による横型の実践教育が必要であり、専門領域の壁を越えた学際的研究と学際的教育が社会から求められています。社会の変化に合わせて、私たちも変化を求められていると言えます。皆さんへの期待もそれだけ大きいのです」と述べ、「学問とは何か、医療安全学とは何か、医療事故はなぜ起きるのか、なぜ防止策が実施されなかったのか、患者さんの安全のためにも、常に『なぜか、なぜか』と問い続けていただきたい」と、学びへの心構えを述べ、安心安全のより良い医療を実現するために、実りある大学院生活を送ってほしいと期待を込めました。

浮舟総長 「専門家同士、お互い学び合う貴重な2年間」

働きながら学ぶ新入生を励ます滋慶学園グループの浮舟総長

 続いて、滋慶学園グループの浮舟邦彦総長は、看護師や理学療法士、臨床工学技士など医療現場で働きながら大学院に入学してきた努力に敬意を表した上で、「有資格者として、それぞれのネットワークを持っておられる20人の新入生の皆さんが『医療の質と安全』という領域に進んでいかれる。これは専門家同士、お互いがお互いを学びあうということで、すごいことだと思います。これからの皆さんのキャリアを考えた時、非常に大きな2年間になっていくと思います。それぞれの学ぶ環境も整っているので大いに活用して学んでください」と歓迎の言葉を述べ、さらに「職場や伴侶の理解があってこうして学べるということを大切にしてください。そして医療安全学のため、患者さんのため、職場のため、家族のために目標・目的を持って進み、見事マスターを取得して社会のために尽くしていただきたい」とエールを贈りました。

前大阪大学医学部附属病院長の野口教授 「先進医療・高度医療と安全チェック部門のバランスある“文化の醸成”必要」

大阪大学大学院の野口教授

 また、3月まで大阪大学医学部附属病院院長を務められていた大阪大学大学院医学系研究科 乳腺・内分泌外科学教授の野口眞三郎様からは、先進医療や高度医療に取り組む病院のトップだった経験を基にユーモアを交えながらも、学びの多い祝辞を頂きました。「新しい医療を創って未来の人のために役立とうという医療の推進と、それが安全かどうかチェックする部門のバランスのとれた関係が大事です。そうなれば、医療安全の文化が醸成されたといいます。それでも大きな医療事故の可能性はありますが、お互いがお互いのポジションを尊敬し合うようになると、病院としては安全になってきます。皆さんはこれから2年間、勉強されて、職場に戻って医療安全の専門家として働かれるわけです。まだ病院によっては、十分ご理解いただいていないところもあるかも知れません。阪大病院でも20年かかって今の体制になったので、一朝一夕にはいきません。苦労されることもあるかもしれませんが、あきらめずにがんばってください」と、激励していただきました。

  • レッドランズ大学のラサール学部長

  • 広東医科大学の丁副学長

 この日の入学式には、各業界団体のご代表をはじめ、医科大学や病院、福祉施設などの大勢のご代表に臨席していただきました。

 このあと、海外提携校の米カリフォルニア州にあるレッドランズ大学(University of Redlands)言語病理学部のリサ・ラサール学部長と、中国・広東医科大学の丁元林副学長のお二人からご祝辞を頂きました。

新入生を代表して決意を述べる曽我部さん

 式の最後に第8期入学生を代表して、医療管理学研究科 医療安全管理学専攻の曽我部恵子さんが、「これからの2年間、専門性豊かな先生方のご教授をいただき、経験溢れる多職種の学友たちと共に切磋琢磨しながら、医療の質と安全の向上を追求し、実践者としてリーダーシップを発揮できるよう、日々、精進をかさねてまいります」と、宣誓しました。

先輩の高野さんが“働きながら学ぶ大学院生活”をアドバイス

 このあと、第5期修了生で社会医療法人西陣健康会堀川病院で副看護部長として働く高野佳子さんが、後輩のために大学院での研究生活の“ノウハウ”を伝授してくれました。今も研究生として働きながら大学院に通う高野さんは、修了後に世界看護科学学会で自らの論文発表を行なった経験や国内の学会で発表したことに触れ、「この大学院で学ばなければ成しえなかった経験です」と話し、「これからの2年間は、自己啓発とキャリアアップの貴重な時」だと、体調管理に努めて頑張るよう、先輩としてのアドバイスをしました。