お知らせ

News

鈴木俊一・オリンピック・パラリンピック大臣(現 自民党総務会長)がTCA訪問 パラスポーツマンガについて学生と懇談しました

懇談する鈴木氏(右手前)と斉藤区長(右奥)、鳴海さん(左手前)、小出さん(左中)ら

 東京都江戸川区と東京コミュニケーションアート専門学校(TCA)が協力して取り組んでいるパラスポーツマンガの制作現場を視察するため、オリンピック・パラリンピック大臣として鈴木俊一氏(現・自民党総務会長)が8月28日(水)、TCAを訪問されました。
 マンガ専攻の学生がパラスポーツマンガを描こうと思った動機や、マンガを通じて伝えたいことなどを懇談で語り、鈴木氏はうなずいたり質問したりしていました。TCAでは、来年の東京パラリンピックを盛り上げる社会貢献活動の一環として、2020年夏までに3作品をつくります。

 オリンピック・パラリンピック大臣だった鈴木氏は、斉藤猛江戸川区長とともに区内の関連施設を視察。TCAでは2階のギャラリーでパネルを見て歩きながら、学校の建学の理念や産学連携、社会貢献活動について、滋慶学園COMグループの村上誠悟常務理事や濱絹予事務局長の説明を聞かれました。その後、岡野塁(るい)先生の司会で鈴木氏と斉藤区長、マンガ専攻3年の鳴海みわさん、小出佳那さんが、パラスポーツマンガについて懇談しました。

  • 教育カリキュラムを説明する村上常務

  • 濱局長はバーチャルアイドルとのコラボについて鈴木氏に説明

心のバリアフリーを推進するために

 鳴海さんは2018年に、パラバドミントンの選手を主人公にした「蒼空(あおぞら)の彼方(かなた)へ」を制作。小出さんは、コーフボールというオランダ発のスポーツを中心にオランダ人との交流を通して多様な社会を学ぶという作品を現在制作中です。

 「(鳴海さんの)マンガを読みました。かなり調べたのですか?」との鈴木氏の問いに、鳴海さんは「義肢装具士さんに取材に行かせて頂いたり、パラバドミントンの試合を何度も見に行ったり、いろいろ調べました」。斉藤区長はパラスポーツマンガについて「支援学校などからマンガで伝えるのはどうだろうかと提案があったのですが、確かにわかりやすいですね」と評価されました。鈴木氏は、東京オリンピック・パラリンピックでユニバーサルデザイン化はもちろん、“心のバリアフリー”を推進し、共生社会を実現するという政府の方針を説明。「色んなツールで勉強することが必要です。マンガも大きなツールだと思います」と話されました。

  • 「蒼空の彼方へ」江戸川区×TCA

  • パラバドミントンが主人公を成長させます

 作品について、鳴海さんは「私のおばあちゃんは足が不自由で、車椅子で生活をしながら頑張っていました。マンガの主人公は交通事故で片足を失いましたが、ひたむきに努力を続けます。どんな人でも頑張れば道が開けるということを表現したいと思いました」と語りました。小出さんは「親戚に障がいをもつ人がいて、補助具をつけていました。珍しいものを見るような周りの視線が嫌で、悲しかったそうです。障がいのある人も特別視されなくなり、個性のようになったらいいなと思い、制作に取り組んでいます」と話しました。

マンガは世界に誇る日本の文化

 斉藤区長は「障がいをもつ人が周りにいるというのも普通のことで、当たり前に感じるような社会にならないといけないと思います」とコメントすると、鈴木氏は「パラリンピックはそのための良い機会です。みんなが頑張ろうという気持ちになると思います」と話されました。さらに「日本のマンガは世界に誇れる文化。オリンピック・パラリンピックは日本の文化を世界に発信する機会でもあります。海外の方々に日本のさまざまな魅力を伝えて頂きたいと思います」と励ましてくださいました。

 また、岡野先生が「マンガやゲーム、アニメーション、サブカルチャーの分野で海外から留学生が増えています。育ってきた環境も表現方法もそれぞれ違うので、いい刺激になっています」と説明すると、鈴木氏は「オリンピックとパラリンピックの選手が一緒にトレーニングすることがあり、お互い良い刺激なっています。新たな気づきが生まれるそうです」と話されました。

  • 江戸川区の広報担当者も取材に

  • 学生や鈴木氏と歓談する浮舟邦彦総長

障がい者への理解を深めるために

 「蒼空の彼方へ」は、交通事故で片足を失った主人公がパラバドミントンと出会い、その成長を通じて社会に変革をもたらすという物語。江戸川区の小中学校、公共施設、病院や銀行の待合スペースなどに計4400部が配られました。制作中の小出さんの作品「Orange Memories―オランダからの贈りもの―」(仮題)は、オランダに留学した主人公が、コーフボールやオランダ人との交流を通じ多様な社会の在り方を学ぶという物語で、今年の10月に完成します。いずれも小説家でTCA講師のココロ直先生が原作を担当しました。

 「共生社会ホストタウン」に登録されている江戸川区では、支援学校や障がい者施設の関係者からパラスポーツの魅力を伝え、障がい者への理解を深める手段としてマンガが有効であるとのアドバイスを受け、TCAにマンガ制作を依頼。TCAではオリンピック・パラリンピックの成功に向けた地域貢献活動として、2018年度からマンガ専攻で制作に取り組んでいます。