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大阪ハイテクノロジー専門学校の日本語学科留学生 大阪ガスのミュージアムで行なわれた「次世代につなぐ防災&減災フォーラム」に参加しました 防災に備え地域社会とつながろう!Part4

「次世代につなぐ防災・減災フォーラム」。先生方のトークショー

 大阪ハイテクノロジー専門学校 日本語学科の留学生たちが1月12日(日)、大阪市西区にある大阪ガスのショールーム、ハグミュージアム(hu+g MUSEUM)で行なわれた「次世代につなぐ防災&減災フォーラム」に参加してきました。同ミュージアムでは「考える防災教室」や「防災クッキング」などの防災教室も行っています。

 参加した留学生16名のうち15名は、地震や水害の経験がありません。ただ1人だけ2018年6月18日の大阪北部地震を経験しています。たまたま3ヵ月研修で日本滞在中に、地震が起きました。学生たちは将来日本の病院で臨床工学技士として働く夢を持って留学していますので、今後日本で生活する上で、「過去の災害を知り、学び、将来に備えてほしい」と、参加しました。

 まず、昨年フォーラム実行委員会が主催した子ども達の体験学習ツアーの報告会がありました。
 留学生が驚いたのは、参加した日本の子ども達の防災意識の高さです。「北淡震災記念公園(淡路島)の野島断層や江崎灯台を訪問して、地震の恐ろしさに気づき、災害に備える大切さと安全な避難行動を学べた」という報告があり、会場でいただいた「防災キッズ新聞」には「地震の時、北淡町でたくさんの人が助かったのは、皆が仲良しで助け合うことができたためと知って、すごいと思った。地震の時はボランティアで被災者を助けたり、食事を作ったりしたい」という小学2年生のコメントがありました。報告内容や2年生なのに共助を意識したコメントに、留学生たちはすっかり感心していました。自分で学び、感じることができれば、その想いを自分たちの次世代にも必ず語り継げると思いました。

  • 日本の病院で働く夢がある留学生たち

  • 台風21号の話を留学生は真剣に聞きました

 第2部はまず、防災士の資格をもつ気象予報士、正木明先生の特別講演「生命を守る天気情報」です。正木先生は朝日放送の朝の情報番組でもおなじみのお天気キャスターです。以前は生活情報であった天気予報が、近年は地球温暖化の影響から災害が増え、「命を守る情報」としての役割を担っているというお話でした。台風は事前に情報を得ることができます。学校の防災教育でも「命」を守る情報の取り方を防災教育の時間に伝えていきたいと思いました。

 基調講演は京都大学防災研究所教授で、防災心理学・社会心理学を研究されている矢守克也先生の「平成の災害に学ぶ災害への備え」をテーマにしたお話でした。先生は防災ゲーム「クロスロード」や「津波避難訓練アプリ逃げトレ」の開発者です。30年以内に南海トラフ地震が起こる確率は70~80%と言われています。留学生も学校で避難訓練に参加し、学生寮でも訓練をしていますが、「自分で自分を守ろう」「災害の備え」などと理解したつもりでも、いざという時に行動できるかはわかりません。

  • 避難所に連れていくかどうか…

  • 正解はなく、普段から考えておくことが大切

 矢守先生か開発された防災ゲームでは、ゲーム感覚で災害時の対応を体験し、防災を自分のこととして考えることができます。すべての設問は阪神・淡路大震災で出てきた課題だそうです。例えば「家族同様の愛犬を避難所に連れて行くか」という設問。必ず「イエス」か「ノー」で答えなければなりません。このゲームには正解はなく、お互いが問題点を出し合い、話し合うことが大切です。それによって多くの価値観や視点にも気づけ、ゲームをしながら防災につながる行動を考えることがポイントだということでした。

  • クロスロードについて解説する矢守教授

  • 避難所の担当者だったらこんな時どうする?ン

留学生は外国人向けの防災リーダーに!との期待も寄せられました

 第3部では「企業における防災教育」で、積水ハウスからは「住まいと暮らしの防災力」、大阪ガスからは「考える防災教室」の話がありました。それぞれワークショップがあり、日本語学科の留学生も昨年「考える防災教室」に参加させていただきました。

※大阪ガス「考える防災教室 ~その時、あなたを守れるあなたになろう~」に参加しました
災害に備え地域社会とつながろう!Part3
https://www.jikeigroup.net/news/20190610_26485.html

 また、司会者の方から「今回のフォーラムには留学生も参加しています」と紹介していただき、矢守先生は「東京オリンピックで多くの外国の人が来るので、ぜひ『言葉でおもてなし』をしてください。おいしい物や楽しいことに加え、防災について情報発信をするリーダーのような存在になってほしいと思います」とアドバイスをしてくださいました。

防災・減災に関心をもってくれた留学生たち

 参加した留学生たちからは「災害は怖いもの。だからこそ防災教育は絶対に必要だと思う」、「自分で自分をどう守るか考えた」、「災害の体験者の話も聞いてみたい」、「避難訓練は学校の模試のようなもの。本番で力が出せるよう、もっと真剣に取り組みたい」、「もし避難したら自分が避難所で何ができるかわかった。言葉で周りの人を手伝いたい。誰かが行動を起こせば皆が互いに助け合うようになると思う」などという感想が聞かれました。

 日本語学科では一昨年から学生主体の避難訓練をしたり、地域活動に参加したりしています。小学校での「いきいき活動」(学童保育)や「朝ごはん屋さん」(子ども食堂)のボランティアなどです。「このような防災フォーラムにまた参加したい」と、ほとんどの学生が防災・減災に対して前向きに関心を持ってくれたことを嬉しく思いました。

(大阪ハイテクノロジー専門学校 日本語学科