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OSM高等専修学校2年のアヤコノさん、ギタリストの布袋寅泰さんと共演  多様性と調和の祭典・東京パラリンピック開会式 

開会式で演奏した布袋さんらと。左端がアヤコノさん(アヤコノさんのTwitter)

 多くの人々の感動を呼んでいる東京パラリンピック。8月24日(火)の開会式では、伊藤若冲の絵画がデザインされた派手なデコレーショントラックからあらわれたギタリスト、布袋寅泰さん率いるロックバンドが強烈に印象に残りました。右端で演奏していたベースの女性、じつは大阪スクールオブミュージック高等専修学校2年生のアヤコノさん、在校生なのです。国際的に活躍しているミュージシャンの布袋さんらとともに、迫力ある演奏を披露していました。

 全盲のギタリストの田川ヒロアキさん、手足に麻痺があり“車椅子のギタリスト”といわれる川崎昭仁さんとともに登場したアヤコノさん。NHKのアナウンサーは「不登校を経験し、『自分らしくマイペース』をモットーに活動しています」と紹介していました。SNSで人気が急上昇しているアヤコノさんは、楽しそうな笑顔で、踊るようにリズミカルに演奏していました。

 開会式のコンセプトは「WE HAVE WINGS(私たちには翼がある)」でした。逆風でも勇気を出して翼を広げるパラアスリートの姿を通じて、誰もがそうした翼を持っていることに気付いてもらいたいとの思いが込められているそうです。会場では、ロックの演奏とともに、発達障害やダウン症など様々な個性のパフォーマーたちが、思い思いのダンスを繰り広げ、多様性と調和の祭典を盛り上げていました。

NHK教育テレビ「ムジカ・ピッコリーノ」にレギュラー出演

 アヤコノさんは本名、番匠彩音(ばんしょう・あやね)さん。大阪府枚方市出身で、中学生になって突然、学校に行きたくても行けなくなったことをオープンに語っています。ストレス発散のためドラムを習おうと音楽教室に通い、そこでギターとベースに出会いました。14歳の誕生日にベースを買ってもらい、練習に没頭したといいます。好きなベースを思い切り学べるということで、2020年春、OSM高等専修学校に入学しました。

  • イベントに出演して演奏(アヤコノさんのTwitterから)

  • OSMの副校長、渡辺敦子先生とのツーショット(OSM高等専修学校提供)

 アヤコノさんは、ベースを演奏している動画の投稿が話題となり注目されるようになります。大阪スクールオブミュージック専門学校や大阪ダンス&アクターズ専門学校との合同のオンライン学園祭では、プリンセスプリンセスのベーシスト、渡辺敦子副校長とのスペシャル対談に登場。今年5月からはNHK教育テレビの子供向け音楽番組「ムジカ・ピッコリ―ノ」にレギュラー出演しています。また、パラリンピック開会式直前、新潟県湯沢町で開催された野外音楽イベント「フジ・ロックフェスティバル’21」(8月20日~22日)にも出演しました。

「誰もが自分らしく生きられる社会に」アヤコノさん

 アヤコノさんは開会式の出演について、「今回お話を頂いたときに『障害の有無だけでなく、ジェンダー・国境などすべてを超えて、みんなで一緒に作るステージ』とお聞きして、とても共感してすぐにお引き受けしました。実際に打ち合わせやリハーサルを通して多様な個性をもつ方々とご一緒し、皆さんおしゃべりだったり明るかったり、それぞれに素敵で『生きているってそれだけで素晴らしい』と、実感しました」と振り返りました。

 さらに、「開会式当日は私の出番は遅めなのでスタートから間近で見ていたのですが、皆さんのイキイキしたパフォーマンスに心震え涙が出そうで、こんな素晴らしいショーにこれから自分も出るんだという感動で、ワクワクしっぱなしでした。開会式のメッセージは多くの方へ届いたようで私も嬉しいし、これからもっと、誰もが自分らしく生きられる社会になることを願っています」と語っています。