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佐伯祐三の作品90年ぶり公開も 関西企業所蔵の美術展が開かれています! 浮舟邦彦総長が実行委員長

佐伯祐三の「雪景色」(右端)

 滋慶学園グループの浮舟邦彦総長が実行委員長をつとめ、大阪・関西の企業が所蔵する貴重な美術品を展示・紹介する「なにわの企業が集めた絵画の物語」展(関西経済同友会企業所有美術品展実行委員会主催、滋慶学園グループなど協力)が10月22日(金)まで、大阪市西区の大阪府立江之子島文化芸術創造センターで開かれています。

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 関西経済同友会では、2022年に開館予定の「大阪中之島美術館」を盛り上げようと、2019年から企業が所蔵する美術品を集めた展覧会を開催。3回目の今回は過去最高の計46点の美術品を展示しています。特集では「大大阪の時代」をテーマに、大阪がめざましい発展を遂げる1920~1930年代に活躍した画家の作品などを紹介。大阪出身の佐伯祐三がパリから一時帰国中に描いたとされる「肥後橋風景」や、約90年ぶりとなる「雪景色」などが公開され、話題になっています。大人500円、中学生以下無料。

 この美術展は第1章「アールヌーボーからアールデコへ」、第2章「大大阪の時代」、第3章「絵画が語る『絵画の物語』」、第4章「抽象表現の楽しみ方」の4章で構成。「大大阪の時代」では、佐伯祐三や安井曾太郎、小磯良平らの作品を展示しているほか、今なお大阪の街に点在する当時のモダンな建築物や美術品を、映像や展示資料で紹介しています。このコーナーは、スペイン風邪(1918~1921年に流行)による不況を乗り越え文化・芸術が開花した時代と、新型コロナウイルスの感染に見舞われた今の状況を重ね、コロナ禍を乗り越え関西の活力を取り戻したいという願いが込められています。
 

  • 佐伯が帰郷して描いた「肥後橋風景」(左)と大阪朝日新聞社建築図面の文字盤と時計塔

  • 神戸生まれの小磯良平の「東明海岸」

大阪・関西の文化的な魅力と底力の再発見につながる

 大阪では絵画や彫刻、デザインなどの名作を多数所蔵する「大阪中之島美術館」の建設が進んでおり、中之島が美術館を中心に科学館、コンサートホールなどが集まる文化ゾーンとして発展することが期待されています。関西経済同友会では、大阪中之島美術館を盛り上げるため、浮舟総長が委員長をつとめる企業所有美術品展実行委員会が中心になって、2019年からシリーズで開催。今回が最終回になります。本来は1月に開催を予定していましたが、コロナ禍で延期。小学生らを対象にした教育プログラムも、感染防止のため希望する学校に出張する形での実施となりました。

  • 滋慶学園グループ所蔵の「ピエロ」という作品(左)

  • 美術展のパンフレット

 3回にわたる開催の成果は、新しい美術館に引き継がれるそうです。委員長として浮舟総長は「地域で活躍する多くの企業の参加・協力を得て、一般の人には通常、観覧できない貴重な芸術品ばかりを集めて開催することができました。大阪・関西の文化的な魅力と底力の再発見につながったのではないかと思います。コロナ禍で紆余曲折がありましたが、開催できたことに厚く御礼を申し上げます。今回で最終回になりますが、われわれ経済人は引き続き、文化・芸術の力の継承と発展に寄与していきたいと考えています」などと話していました。