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東京オリンピック・パラリンピックの聖火リレーに出場! 最も有名な義肢装具士&義足ランナーが特別講義 神戸医療福祉専門学校三田校 義肢装具士科

2021.11.19

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義足の説明をする臼井さん(中央)と、ランナーの松本さん(手前)

 大勢の人々が感動に沸いた東京パラリンピック。国立競技場で行われた開会式で、聖火ランナーをつとめた義肢装具士の臼井二美男(ふみお)さんと、4月に大阪府内でオリンピック聖火リレーに参加した義足の市民ランナー、松本功さんが2021年10月25日(月)、神戸医療福祉専門学校 三田校で対談をしました。義肢装具士科の授業「義肢装具概論」の特別講義で、オリンピック・パラリンピックの両方の聖火ランナーによるユニークな授業に、大勢の学生が拍手喝采。白熱した質疑応答も繰り広げられました。

 臼井さんはスポーツ用の義足製作の第一人者で、鉄道弘済会義肢装具サポートセンターの責任者。パラアスリートを長年にわたり支えるだけでなく、ミニスカートで歩きたい、ハイヒールを履きたい…など、1人ひとりの願いを叶える生活用の義足づくりにもこだわっています。NHKの「プロフェッショナル 仕事の流儀」にも出演し、日本で最も有名な義肢装具士です。

 また、松本さんは9歳で右足下腿部を切断。運動とは縁のない生活でしたが、今から12年ほど前、50歳の時に三田校義肢装具士科の学生実習に協力したことがきっかけとなり、スポーツ義足に出会います。義足で走るトレーニングを始め、神戸マラソンや東京マラソンで完走するなど、20回以上もフルマラソンに出場しています。

親だったら、恋人だったらという思いで向き合うことの大切さ

 この日の授業は、最初に臼井さんが90分にわたって講義。義肢装具士としての日々の仕事や、義足で走るスポーツクラブの現状、義肢装具士になった理由、そして世界レベルでみた日本のパラアスリートの実力に至るまで、話題は多岐にわたりました。

 その中で、女優・綾瀬はるかさんが出演した、パナソニックの東京オリンピック・パラリンピック応援キャンペーンでのエピソードを披露。「綾瀬さんは義足ランナーと走ったり、義足の装着体験をしたり、みんなと一緒に活動しました。さすがは大物女優、親しみやすい人柄でした」と明かしました。臼井さんは、プロの義足モデルとして有名なGIMIKO(ぎみこ)さんや海音(あまね)さんらにも、義足を提供。多くの選手やパフォーマーの希望になってきました。

 約30年前に臼井さんが立ち上げた義足のスポーツクラブ「スタートラインTokyo」は、6歳の子どもから70歳以上のお年寄りまで、約250人のメンバーがいるそうです。毎月1回、60人前後の人が集まり、走る練習をしています。悪性腫瘍で足を切断したけれど、運動もしたいという思いからクラブを訪れるなど、さまざまな障がいを持つ人たちが、元気にスポーツを楽しんでいるそうです。

  • 義足製作のスペシャリスト・臼井さん 

  • 大勢の学生が熱心に受講しました

  • 切断しなければならなかったひとり一人に向き合っています 

  • 学生の質問にも丁寧に応えていました

 臼井さんは群馬県の出身。小学校の時、女性の先生が義足を着用して来て「臼井君、義足を触ってみる?」と言われ、触らせてもらったことがあったそうです。「先生に何かしてあげたいけど、どうしたらいいか、その時はわかりませんでした」と振り返りました。義肢装具サポートセンターに入るとき、先生の義足を思い出したといいます。「今は先生の義足を作らせて頂いています」と臼井さん。「義肢装具士も型にはまった考え方じゃなく、いろいろチャレンジできる。ユーザーが、親だったら、恋人だったら、という気持ちで取り組んでほしい」とアドバイスしました。

 義足のマラソンランナー×義足製作のスペシャリスト 対談は盛り上がりました

 続く授業では、松本さんが、悪性腫瘍の病気で9歳の時に右足を切断した経験から、義足使用者としての日常生活、マラソンランナーになったきっかけ、義足で走るトレーニングなどについて語りました。義肢装具士科の実習にモデルとして参加した時、「健康のために運動をしたい」という思いを先生に話したそうです。すると、ランニングで使う練習用の義足を作ってもらえることになり、2009年から走り始めたそうです。以来、多くのマラソン大会で活躍。メディアでも注目され、東京2020の聖火リレーに出場することになりました。

 「スポーツ義足は弾力性があって、ぴょんぴょん飛び跳ねて前に進む感じがします。初めて装着した時は、これなら走れそうだ!と感動しました」と振り返りました。

  • 50歳から走る練習を始めた松本さん

  • 聖火リレーのトーチを披露

 臼井さんとの対談では、失った手足がまだあるかのような感覚になる幻肢(げんし)体験や、右足の切断部位を収納するソケットを使い分けることなど、義足を使用している人ならではの実体験や苦労話を聞くことができました。授業では持参した聖火のトーチを学生たちに披露し、希望者に持ってもらい、東京2020をリアルに感じてもらいました。

 同じ義足使用者でも、スポーツをする人とスポーツをしない人の断端部(切断箇所)には異なる特徴があることや、スポーツ義足といっても、種目や目的によって多種多様であることも学びました。

 松本さんは「いつまでも元気に走っていたいと思います。要介護者にはなりたくない、介護する側でいたいですね。僕は義足を見てもらいたいので、いつも短パンで走るのですが、小学生が興味を持ってくれます。断端部をかぶりつきで触り、『かわいい!』と言ってくれました。まずは慣れてほしいと思います」と話していました。

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