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滋慶学園グループ×バークリー音楽大学「浮舟奨学金」 10周年の節目、神戸・甲陽音楽&ダンス専門学校卒業のベーシスト・枡田凱登さんに授与されました

 ジャズやロックなどアメリカ現代音楽の名門、バークリー音楽大学(ボストン)と滋慶学園グループが創設した「浮舟奨学金」の授与式が7月23日(水)、大阪市中央区の滋慶学園ビル北浜で行われました。第10期の節目となる今年の奨学生は、神戸・甲陽音楽&ダンス専門学校(神戸市中央区)のバークリー留学コース(ベース専攻)を今年3月に卒業したばかりのベーシスト、枡田凱登(ますだ・かいと)さん。滋慶学園グループの浮舟邦彦総長から奨学金の目録と盾を贈られ、「この奨学金の意義に応えられるよう、音楽のすばらしさを後世につなげる存在になることを誓います」と力強く決意を述べました。

 浮舟奨学金は、卒業生が学費全額免除でバークリー音楽大学に2年間(4学期)留学できる制度で、滋慶学園グループと同大学の教育提携がスタートしたのを機に、2016年に設立。これまで9名の若き才能が世界の舞台へと活躍の場を広げています。

 この日の授与式には、浮舟総長や枡田さんとその家族をはじめ、バークリーの卒業生でもある神戸・甲陽音楽&ダンス専門学校の副学校長、細川直之先生、同様にバークリーを卒業した海外部副部長の岡居啓介先生ら学校関係者が出席しました。

「世界中の人々にインスピレーションを与えられる作曲家兼ベース奏者に」枡田さん、夢を語る 

 枡田さんは米国生まれ、福岡県育ちの20歳。小学5年生のとき、クラシックコンサートに行ったのをきっかけにクラシックギターを始め、音楽に目覚めました。中学時代は吹奏楽部でバリトンサックスを演奏し、全国規模のコンクールで優勝。高校時代は作曲に没頭したといいます。故郷・福岡を離れ、神⼾・甲陽音楽&ダンス専門学校に入学したのを機に楽器はベースに転向し、以前から憧れていたジャズに挑戦。いずれも初心者でしたが、常人離れした練習量をこなし、わずか2年でプロ奏者となる足がかりをつかみました。

 授与式で、浮舟総長から2年分の学費に相当する奨学金の目録と記念の盾を手渡された枡田さんは英語でスピーチ。両親、吹奏楽部の仲間、中学・高校の先生方、そして滋慶学園グループとバークリー音楽大学、神⼾・甲陽音楽&ダンス専門学校の先生方に対し、「ひとりでも欠けていたら今の自分はありません」と感謝の言葉を述べた後、ジャズへの思いを熱く語りました。

 「子供のころからクラシック、Jポップ、吹奏楽に触れ、演奏もしてきましたが、ジャズはそれらとはまったく異なる音楽で、魅力的に感じました。リズムの感じ方、難解なハーモニーに対する理解、先人の遺した偉大な即興演奏の分析研究など、ジャズを吸収することに生活のほとんどを捧げました」。ジャズだけでなく、現代音楽の根幹にあるクラシックや世界のさまざまな音楽を最高のレベルで網羅し、世界から集まった学生たちと切磋琢磨しながら学べるのがバークリー音楽大学だとして、「9月から始まる未知との出合いに胸を躍らせています」と入学を控えた現在の心境を明かしました。

 夢は、世界中の人々にインスピレーションを与えられる作曲家兼ベース奏者になることで、「バークリーの先輩である映画音楽の巨匠、アラン・シルヴェストリのように力強い物語を語る音楽を作り、クインシー・ジョーンズのようにさまざまな音楽を取り入れてミュージックプロダクションの限界を広げる存在となりたい」。偉大な先輩2人はいずれもアメリカの音楽業界で最も権威のある賞の一つ、グラミー賞を受賞しており、「彼らのように世界の音楽コミュニティーに貢献できるアーティストとなることが私の目標です」と力強く語りました。

バークリー音楽大学の学長らから動画で歓迎のメッセージ

 枡田さんのスピーチの後、バークリー音楽大学のジム・ルケージ学長のメッセージ動画が紹介されました。ルケージ学長は10周年を迎えた浮舟奨学金の歴史を紹介し、節目の年の奨学生となった枡田さんを「あなたはスティーブ・ベイリー学科長をはじめとする世界最高峰のベーシストたちとともに学ぶことになります。優れたベーシストは常に世界中で必要です。今回の素晴らしい結果に、改めてお祝い申し上げます。秋にボストン、バークリーでお迎えできることを楽しみにしています」と祝福しました。

 ショーン・スキート・パフォーマンス学部長とスティーヴ・ベイリー・ベース学科長からも心のこもった歓迎メッセージが動画で寄せられ、枡田さんは感激していました。

 続いて、枡田さんが記念演奏。披露した曲は「I’ll close my eyes」。枡田さんが神戸・甲陽音楽&ダンス専門学校に入学して最初に出合ったジャズスタンダード曲で、「バークリーのオーディションでも演奏した思い入れの深い曲」だそうです。精魂込めた演奏に出席者全員がうっとりと耳を傾け、自然と体を揺らせていました。

「枡田さんの演奏が2年後、どんなに磨き上げられているか楽しみ」浮舟総長が祝辞

 最後に浮舟総長が祝辞を述べました。「枡田さんはアメリカ生まれということで、英語になじんでおられるので、普通の学生と違って留学での言葉のハードルが低く、留学生活を楽しまれるのでは」といって場を和ませた後、これまで奨学金を授与された9名の近況に触れ、「素晴らしい先輩方に続いて、輝ける未来の音楽生活の基礎をしっかりとここで築いていただければと思います。枡田さんの演奏が2年後、どんなに磨き上げられているか、楽しみにしています。どうか楽しく素晴らしい留学生活を送ってください」と激励しました。