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万博公演から約4カ月 滋慶学園COMグループの社会貢献ミュージカル『明日への扉』、ザ・シンフォニーホールでの大阪公演も大盛況でした!
2025.10.31
滋慶学園グループの学生たちによる骨髄移植推進キャンペーンミュージカル「明日への扉」。大きな話題を呼んだ大阪・関西万博での公演から約4カ月後の10月10日(金)・11日(土)、大阪公演がザ・シンフォニーホール(大阪市北区)で行われ、計3公演が上演されました。1994年の初演から今年で32年目。生きることの素晴らしさを伝える感動の物語は、先輩から後輩へ連綿と受け継がれ年々進化を遂げています。いずれも満席だった今回も、激しく揺れる主人公の葛藤のシーンや友情を確かめ合うシーンに観客は涙し、惜しみない拍手を贈りました。

「明日への扉」は、滋慶学園グループの大阪スクールオブミュージック専門学校(OSM)、大阪ダンス・俳優&舞台芸術専門学校(DA)、大阪スクールオブミュージック高等専修学校(OSM高等専修学校)が主催。白血病患者を救うための骨髄バンクの窮状を知ったOSMの学生たちの「自分たちにできることはないのか」との思いからスタートした社会貢献ミュージカルで、30年以上にわたるロングラン公演となっています。今年6月には「いのち輝く未来社会のデザイン」をテーマにした大阪・関西万博での公演も実現しました。
今回の大阪公演は、キャスト、舞台進行、音響、照明、プロジェクションマッピング、ヘアメイク、 COMエレクトリックオーケストラバンド 、クワイヤーなども含め総勢約503人の学生たちがつくりあげました。


開演前、あいさつに立った制作総指揮の喜多静一郎・OSM高等専修学校長は「当時の学生たちは、チラシを配ったりコンサートを開いたりして骨髄バンクの窮状を訴えましたが、ドナー登録者はなかなか増えませんでした。そこで、ミュージカルで直接訴えようと考えたのです」と「明日への扉」の成り立ちを紹介。公演の準備は授業の一環として行われ、毎年、学生たちが患者や家族の話などを聞いて白血病、骨髄移植について学ぶこと、その上で厳しい練習に取り組むこと、それが後輩へと引き継がれてきたこと、といった歴史を語りました。
最後に喜多先生は「ミュージカルの初演に関わった学生たちの言葉をひとつずつ紡ぎ、1行1行精査して作った歌です」と30年以上変わらないオープニング曲「明日への君に」を紹介。OSM・DA・OSM高等専修学校Choirの歌声により公演の幕が切って落とされました。


生きることの素晴らしさ 全学生が同じベクトルでひたむきに訴えました
物語は、ミュージカル「明日への扉」の一次オーディションの場面から始まります。主役をめざす主人公・ゆかりはライバルの遥、俊江、真弓ととも合格し、それぞれが最終オーディションに向けて練習に励んでいました。そんな中、遥が倒れて病院に搬送、骨髄移植で治すことができる慢性骨髄性白血病と診断されました。遥の病気に揺れ動く仲間たち。ゆかりは友人の一言をきっかけに命の尊さに目覚めてドナー登録を決意します。やがて、移植を必要とするどこの誰かもわからない患者のため骨髄の提供に同意するに至りました。ところが、最終オーディションの日程が伝えられると、突然ゆかりがいなくなり…。




このミュージカルの大テーマは、1人のドナーによって救えるかもしれない命がある、と訴えること。ただ「感動の物語」というだけではなく、骨髄バンクの窮状や実際の白血病患者たちの苦悩をストレートに伝える演出が随所に盛り込まれました。


医師役の学生は劇中、「移植には白血球の型であるHLA型が適合することが必要ですが、適合する確率は血縁者で4分の1、非血縁者だと数百から数万分と大変低く、一人でも多くのドナー登録者が必要なのです」と、ドナー登録の現状や骨髄移植について説明。また遥は、かつて白血病で倒れた女優、夏目雅子さんのことを「生前、抗がん剤の副作用で髪の毛がなくなるのを気にしていたそうなの」と仲間たちに語り、無償でカツラの貸し出しをしている「一般財団法人夏目雅子ひまわり基金」を紹介しました。

ミュージカルという華やかな世界で描き出される人間模様の中、全学生が同じベクトルで命の尊さ、生きることの素晴らしさをひたむきに訴え、拍手喝采の中、フィナーレを迎えました。


「多くの奇跡生んだミュージカル」夏目雅子さんの兄・小達一雄さん
鳴りやまない拍手の中、学生スタッフ代表がこのミュージカルに込めた想いを語った後、遥が劇中で触れた夏目雅子ひまわり基金の代表事務局長で、夏目雅子さんの実兄である小達一雄さんが登壇。一転、静まり返った会場に向かって、こう語りかけました。

「妹・夏目雅子は1985年、急性骨髄性白血病でこの世を去りました。まだ27歳という若さでした。難しい病気が判明した時に医者に聞くことはただひとつ。『助かりますか?』。医者から返ってきたのは『無理』という言葉でした。あきらめるしかありませんでした」
時とともに白血病はドナーに巡り会えさえすれば治る病気になりましたが、小達さんは「未だにドナーに巡り会えていないご家族、友人、関係者の方々が、北海道から沖縄まで、今この瞬間も走り回っています」と、依然として骨髄バンクが厳しい状況にあることを訴え、ドナー登録への理解と協力を来場者にお願いしました。
そして「このミュージカルからはたくさんの奇跡が生まれています」と31年の長きにわたって続く「明日への扉」の上演に触れ、今年6月の万博公演についても「最高の演技をみせてくれました」と紹介。「一度も表に出てくることがない裏方さんも含め、長い長い時間を毎年このミュージカルのために費やしてくれました。目的は一つ。自分のためではありません。もしかしたら救えるかもしれない、まだ見ぬ命のために、です」と語り、この日舞台に関わった学生やスタッフだけでなく、全ての卒業生、学校関係者をねぎらいました。


この後、出演者やスタッフらはホールのロビーへ。募金箱を抱えて「ご協力をお願いします」と声を張り上げていました。集まった募金は、来年3月の卒業式で、「公益財団法人日本骨髄バンク」と「一般財団法人夏目雅子ひまわり基金」に寄贈されます。

「明日への扉」大阪公演
2025年10月10日(金)
・第189回 開場 11:00 / 開演 12:00
・第190回 開場 17:00 / 開演 18:00
2025年10月11日(土)
・第191回 開場 12:00 / 開演 13:00
会場:ザ・シンフォニーホール
推 薦
厚生労働省
後 援
一般財団法人夏目雅子ひまわり基金 公益財団法人日本骨髄バンク 大阪府教育委員会(大阪公演) 大阪市教育委員会(大阪公演) 株式会社エフエム大阪(大阪公演) 江戸川区(東京公演)
特別協賛
・青山商事株式会社「洋服の青山」
・株式会社学生情報センター
・キヤノンITソリューションズ株式会社
・コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
・サントリーホールディングス株式会社
・株式会社ジェイ・エス・ビー
・東洋ワーク株式会社
・株式会社長谷工システムズ
・ハニカムファクトリー株式会社
・株式会社ライオン事務器