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高齢者対象の軽負荷の脳トレ&eスポーツ体験会 学生たちが公共施設で実施しました! 北海道ハイテクノロジー専門学校
北海道ハイテクノロジー専門学校はシダックス株式会社との共催(協力:黄金ふれあいセンター)で11月9日(日)と16日(日)の両日、高齢者を対象としたeスポーツと脳トレの体験会を北海道恵庭市内の公共施設で実施しました。9日は黄金ふれあいセンター、16日は恵庭市生涯学習施設かしわのもりで、午前10時から2時間行い、いずれも約30名が参加。学校側は職員3名とITメディア学科の学生2名が説明、安全確認、機材操作を分担して運営にあたりました。

プログラムは、①学校オリジナルの塗り絵30種類による手と目の協調②家庭用ゲーム機を用いた反応と判断の短時間課題③学生作品の紹介―の3要素で構成。2会場で同内容を実施することで、標準手順の再現性と地域展開の実用性を検証しました。また、体験会運営にあたっては、こまめな休憩指示と通路確保を徹底し、席移動や水分補給のタイミングを案内。安全面では、椅子周辺の荷物整理や配線への接触回避、無理のない姿勢の維持などに注意を払いました。

塗り絵体験コーナーでは、海の生き物を題材にした線画を配布。塗り絵は太線の輪郭と広い面積を組み合わせ、縁取り、面塗り、淡彩の重ね塗りなどの工程を段階的に選べるようにしました。外周をなぞる工程は手首の往復運動となり、線上での集中を促し、面の塗り分けは領域認識と色の切替を伴い、短時間での判断の反復を促します。太軸マーカーは高彩度で作業時間が早くなり、色鉛筆は淡彩で濃度調整が可能となります。参加者は自分の進度に合わせ、縁取りのみ、部分着彩、全面塗りのいずれかを選び、完成後は作品を机上に並べて配色や筆致の違いを見比べていました。
ゲーム体験コーナーでは「ぷよぷよテトリス2」と「大人の脳を鍛えるトレーニング」の2種のゲームを用意し、難度を段階調整できるメニューを中心に提示しました。「大人の脳を鍛えるトレーニング」は記憶、計算、反応の短時間課題を中心に設定。「ぷよぷよテトリス2」では単純な回転と落下の操作を選び、画面の状況変化を追う練習としました。スコアは掲示せず、手順を理解して入力できたかを個別に確認しました。スタッフはメニュー選択、ボタン配置、休憩の合図を補助しました。


学生作品の展示コーナーでは、牛乳パックデザインの模型と制作シートを並置し、デザインの狙いや素材選び、印刷工程などを説明しました。
2会場での体験会実施を通し、運営面では、配布資料と口頭説明を組み合わせた手順の可視化が有効でした。開始前に全体像を提示し、途中で段階的に再提示することで、迷いの少ない進行が得られました。機材を前方に集中して配置させたことも有効で、視線の向きを統一し、席上の移動を最小化することができました。また、こまめに休憩を設けたことも効果があり、短時間の水分補給と姿勢変更を促し、集中の維持に寄与したと思います。

教育面の成果は、学生の実務行動を標準化できたことです。学生たちは、来場者への最初の声掛け、ボタン配置の説明、想定外の入力へのリカバリという3つの場面を繰り返し経験。説明文は短く、指示語は具体的にして資料の図版と一致させました。展示説明では、制作者の意図、構図、色指定の順で要点を整理し、質問への応答も記録。次回に向け、説明カードの語彙を平易化し、図と手順番号を対応させる改版案を作成しました。
地域連携の観点では、異なる環境で同一プログラムを再現できたことが成果でした。黄金ふれあいセンターとかしわのもりの双方で、導線設計と席配置の基本形を適用し、運営手順の移植性を検証。参加者からは「また来たい」という声が複数寄せられ、教材を持ち帰ってくださった方が多くいらっしゃいました。今後は、塗り絵のデジタル取り込みと画面表示の記録を強化し、参加者の理解を促進するための可視資料として整備します。
学校は主催者および施設と連携し、2026年以降も恵庭市を中心に体験会の継続実施を検討します。高齢者が身近な場所で取り組める軽負荷の活動例を提示することで地域に貢献し、その取り組みを通して学生は地域実装型の運営技術を習得します。今回の記録は、健康支援と専門教育の接続事例として、学内の教材整備や地域講座の設計に活用可能で、写真と運営ログを蓄積して次回の準備時間短縮と安全基準の明確化につなげます。