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社会貢献ミュージカル「明日への扉」3年ぶりの大阪公演 「一人でも多くの命を救いたい」と大阪スクールオブミュージック専門学校や大阪ダンス・俳優&舞台芸術専門学校の学生らが思いのたけをぶつけました

3年ぶりに上演された骨髄移植推進キャンペーンミュージカル「明日への扉」。338名の学生全員で作り上げ、命の尊さを訴えました

 一人のドナーによって救える命がある-。新型コロナウイルス禍のために中断を余儀なくされてきた大阪スクールオブミュージック専門学校(OSM)と大阪ダンス・俳優&舞台芸術専門学校(DA)、大阪スクールオブミュージック高等専修学校の学生・生徒らによる厚生労働省推薦の社会貢献ミュージカル「明日への扉」公演(大阪府教育委員会、大阪市教育委員会など後援)が2月10日(金)、11日(土)の2日間、3年ぶりに大阪市北区の1700人収容のザ・シンフォニーホールで第168回、第169回、第170回の3公演が行われました。学生たちは全力で創り上げてきた舞台で、自分たちが学んできた音楽、ダンス、芝居を通して白血病のことや命の尊さを訴え、各公演とも満員のお客様から大きな拍手が贈られました。

 私たちに何か出来ることはないのだろうか-。1994年2月、白血病患者を救うドナー登録の認知度が低かった時代に、財団法人骨髄移植推進財団(現 公益財団法人日本骨髄バンク)の窮状を知った大阪スクールオブミュージック専門学校の学生たちがミュージカルを通してドナー登録の呼びかけに協力したいと立ち上げたミュージカル。以来、東京や福岡、名古屋にある姉妹校の学生たちも巻き込んで2019年度まで26年間、先輩から後輩へと受け継ぎながら毎年続けてきましたが、昨年、一昨年とコロナ禍のために、公演は中止を余儀なくされました。

病気のことを学んだ338名の学生がコロナ禍を乗り越えて創り上げた舞台

  • 初演から欠かさず観劇を続ける浮舟邦彦総長

  • 3年ぶりの舞台に全身で歓びを表現する学生たち

 そして今年、ようやく憧れのザ・シンフォニーホールでの公演が実現しました。学生たちは長年受け継いできた先輩たちの思いと、舞台を踏めなかったすぐ上の先輩たちの悔しさを背負って一からの舞台づくりに挑戦。昨年の5月から出演者160名とスタッフ178名の総勢338名の学生が感染防止のために少人数ユニットに分散し、白血病や腎臓移植などについての学びを開始。日々の舞台稽古や制作、運営などのスタッフ業務に取り組み、それぞれのパートを仕上げて、全員がこの日の本番に集結しました。そして息の合ったチームプレーを発揮し、ワンチームとしての見事な舞台を創り上げました。一人ひとりの様々な想いを乗り越えて命の尊さを訴える舞台は、大勢のお客様の魂を揺さぶり、ザ・シンフォニーホールを感動でいっぱいにしました。
 会場には、学生たちに骨髄移植のことについて講演して頂いた関西骨髄バンク推進協会の栄田慶子様が血液の難病で骨髄移植のドナーを探しておられるお嬢様と一緒に見えられていました。また初演からすべての公演を見続けてきた滋慶学園グループの浮舟邦彦総長の姿もあり、「厳しい環境の中で素晴らしい舞台を創り上げてくれました」と目を潤ませていました。

 制作総監督の喜多静一郎学校長が舞台挨拶で学生たちの想いを紹介

 開演を前に学校長で制作総監督を務める喜多静一郎先生が舞台挨拶を行いました。
 「プロの職業人として、プロのアーティストとして活躍するためにどうしても必要なのは人間力です。歌やダンス以上に“人間教育”を大事にしてきました。社会貢献のプロジェクトとして30年近く続いてきたこのミュージカルですが、今日演じる学生たちは先輩たちの“誰かの為に自分の力を生かしたい”という想いを力にして頑張ってきました」と述べ、学生たちが骨髄移植の現状や白血病について深く学ぶことから始めたことに触れ、「3年間のブランクを乗り越え、一から今日この日に向けて厳しい練習を重ねてきました」と紹介。観客の皆様やスポンサー、保護者、関係者の皆様に、学生たちが舞台を上演できることへの感謝を述べました。

 テーマ曲「明日への君に」とオーディションシーンで幕が開きました

 OSMゴスペルアンサンブルがCOMエレクトリック・オーケストラの演奏でテーマ曲「明日への君に」を静かに歌い上げたあと、ミュージカル「明日への扉」のオーディションシーンで舞台が始まりました。

 物語はオーディションの一次選考で選ばれた10名の中からゆかりや遥(はるか)ら4人が最終選考に残り、それぞれの取り巻きも加わって激しいライバル争いを繰り広げます。そんななか、遥がオーディションを前に突然倒れ、病院に入院します。命を失うかもしれない「慢性骨髄性白血病」でした。遥の病気はゆかり達に様々な波紋を投げかけ、相手を蹴落とすことしか考えていなかったライバルやライバルを取り巻く若者たちが、骨髄移植で助かる命があることを知り、生きることの素晴らしさに気づいていく…そんなストーリーが歌とダンスと音楽とともに展開していきます。

  • オーディションシーンで幕が開きます

  • プロジェクションマッピングをバックにラインダンス

  • フリーダンスのシーン。2階のオーケストラピットのギター演奏が浮かび上がります

  • 取り巻きメンバーが集まるクラブシーン 

30曲を超える挿入歌に合わせてプログラミングされたプロジェクションマッピング 

 この日の舞台を迎えるまでに、舞台進行から集客のためのプロモーションやチケット販売、マネージャー、さらには音響、照明、映像、メイクに衣装、そして2年間のブランクで集客を心配した初めての記者会見の企画・設営まで、すべて学生たちが手分けして取り組んできました。「絶対にコロナに感染してはいけない」と神経質なまでのコロナ対策を行うとともに、コンピューター音響を取り入れてビッグバンドを小編成バンドに組み替えたり、それに合わせて30曲を超える挿入歌のアレンジも敢行、舞台進行に合わせて躍動感あふれるプロジェクションマッピングの制作にも学生たちは関わりました。

息の合ったダンスや音楽、演劇に客席から拍手

 舞台では最終オーデションに向けて、取り巻きも含め、ゆかり、真弓、俊江、遥の主役候補4人のバトルが展開されます。「最高の舞台をお見せしたい」。強い想いを秘めた学生たちの素晴らしい歌声が響き、指先やつま先までピンと伸ばし切った見事なダンスシーンが次々と繰り広げられていきます。息の合ったフォーメーションダンス、自由奔放に踊るクラブダンスなど学生たちの躍動に彩り豊かな迫力のあるプロジェクションマッピングが重なり、観客席のあちらこちらから拍手が湧き起こります。2階のオーケストラピットが斜幕を通して浮かび上がり、ギターやドラムのビートの効いた学生たちの演奏が残響2秒のホールに響きわたっていきました。

  • 慢性骨髄性白血病で入院した遥

  • 迷いながらドナー登録するゆかり

  • 葛藤するゆかり

  • 遥を励ます仲間たち

 そんなある日、遥が突然倒れ、病院に運ばれます。「慢性骨髄性白血病」です。遥は血縁以外では数百人から数万人に1人の適合率と言われるHLA(ヒト白血球抗原)の合うドナーが見つかるのを待ちながら、ベッドで悶々とする日々を送ります。遥を助けたいというみんなの想いがドナー登録を呼びかける輪となって広がっていきます。一方、ゆかりはHLAが自分と一致する患者さんが命を懸けていることを知ってドナー提供を決心しますが、手術日が最終オーディションの日と重なって悩みます。そんな時、遥にもドナーが見つかったと連絡が入ります。4人それぞれの心の葛藤が人間の傲慢さや原罪を裁くシーンと重なり合って展開します。

人は皆支え合い、
人は皆信じ合い、
人は皆求め合い…
私は信じる あなたの優しさ

感動のフィナーレへ

 やがて若者たちの揺れる心は仲間を愛し信じる心として一つになり、他人を思いやることの大切さ、生きることのすばらしさに気づいていきます。

あなたが教えてくれた
生きることの素晴らしさを感じていたい
夢に向かいふたりで明日に向かって 扉をあけて

  • 彷徨い運命に翻弄される遥

  • ドナーがみつかり喜ぶ遥と優二

 全員が舞台に集結し、テーマ曲「明日への扉」が高らかに歌われフィナーレを迎えます。
 遥とゆかりが手を取り合ってダンスをし、大勢の仲間たちが温かく見守ります。喜びの大合唱が舞台を揺るがせ、静かに幕となりました。いつまでも拍手が鳴りやみません。

フィナーレ

学生代表と夏目雅子ひまわり基金の小達代表事務局長が募金の協力を呼びかけました

 各公演では、学生を代表してOSM商業音楽科PAエンジニアコースやコンサート企画制作コースの学生が舞台に上り、「今回もいつ中止になるか分からない不安の中、在校生が誰一人経験したことのないこの舞台を創ってきました」と3年ぶりの公演を実現できたことへの感謝を述べました。
「現在54万人以上の方が骨髄バンクにドナー登録されています。30万人以上が登録すればほとんどの白血病患者の方を救うことが出来ると言われてきました。しかしせっかくドナーが見つかっても断られてしまうケースや検査や治療で高い費用が掛かるため本人やご家族を苦しめるのが現状です」。窮状を訴え、募金の協力を呼びかけました。

 また女優・夏目雅子さんの実兄で「財団法人 夏目雅子ひまわり基金」代表事務局長の小達一雄様が登壇し、「感動しました。妹夏目雅子は1985年、急性骨髄性白血病でこの世を去りました。27歳でした。本格的な治療を受けはじめ、結婚して6か月後のことでした。助かりますかと聞いたときお医者さんは無理と仰いました。その言葉は今も頭を離れません。ただこの病気は時と共に直る病気となりました。それでもいまだにドナーにめぐりあえず、ご家族や関係者、友人の方々が何千人と北は北海道から南は沖縄まで走り続けておられます」と語り、ステージ上の学生たちと共に骨髄移植への理解と寄付への協力をお願いしてくださいました。

 そして小達様の呼びかけで、OSM、DA大阪、OSM高等専修学校の全出演者と大道具や照明、音響などバックヤードで舞台を支えてきたスタッフの学生たち338名全員が舞台上に勢ぞろいし大合唱すると、拍手が一段と大きくなってホールを覆いつくしました。

人と人との愛がつながり輪になって命(いのち)を救えるなんてすばらしいね。

  • 「財団法人 夏目雅子ひまわり基金」代表事務局長の小達一雄様

  • 募金への協力を呼び掛ける学生の皆さん

「全員が主役の舞台だった」「私もドナー登録します」 沢山の感想が寄せられました

 公演の終了後、プロの劇団関係の方からは「全員が主役の舞台を観させていただきました!」と素敵な感想を頂きました。また銀行の方からは「骨髄移植に向けて一生懸命な学生さん達の姿に感動しました。私もドナー登録します」と感想が寄せられました。大人に引率されて友達数人と来ていた小学2年生の男の子は「楽しかったよ。命の大切さを伝えているんでしょ」と得意そうに答えてくれました。

 舞台を終えた学生たちは涙でくしゃくしゃになりながら、舞台衣装のままロビーに並び、募金箱を掲げると、次々と心のこもった寄付が寄せられました。

 会場での募金は、来年3月の卒業式の場で、公益財団法人日本骨髄バンクと財団法人「夏目雅子ひまわり基金」などに贈られます。

テレビ大阪 やさしいニュースで紹介されました

https://www.youtube.com/watch?v=hj7LnrSAp5Q

骨髄移植推進キャンペーンミュージカル「明日への扉」大阪公演

推 薦
厚生労働省

後 援
大阪府教育委員会
公益財団法人 日本骨髄バンク
一般財団法人夏目雅子ひまわり基金

主 催
大阪スクールオブミュージック専門学校
大阪ダンス・俳優&舞台芸術専門学校
大阪スクールオブミュージック高等専修学校

協 力
OCA大阪デザイン&テクノロジー専門学校
・京都医健専門学校
・京都デザイン&テクノロジー専門学校
・放送芸術学院専門学校
・大阪アニメ・声優&eスポーツ専門学校
・大阪キャリナリー製菓調理専門学校
・大阪ECO動物海洋専門学校
・大阪ウェディング&ホテル・観光専門学校
・神戸・甲陽音楽&ダンス専門学校
・神戸・甲陽音楽ダンス&アート高等専修学校

特別協賛
・コカ・コーラ ボトラーズジャパン株式会社
・大塚製薬株式会社
・サントリーホールディングス株式会社
・青山商事株式会社「洋服の青山」
・株式会社学生情報センター
・株式会社ジェイ・エス・ビー
・株式会社ライオン事務器
・キヤノンITソリューションズ株式会社
・株式会社長谷工システムズ