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大阪ECO動物海洋専門学校の7年目に入った西表島実習 自然保護+なんと!企業研修の呼びかけも

西表島のジャングルの中にある洞窟を探検!

 毎年天気に悩まされながらも、何とか続けてきた沖縄県の西表島(いりおもてじま)実習―。大阪ECO動物海洋専門学校では6月12日(月)から西表島に入り、今年も4泊5日で実習を行うことができました。

 本校では7年前から「西表島保全プロジェクト」として、毎年西表島にお邪魔し、イリオモテヤマネコの保護活動やマングローブ林の保全活動などを行っています。この実習では、西表島の海や山、ジャングルを堪能でき、カヤックやシュノーケリング、ケービングなど様々なアクティビティも組み込まれていて、学生たちにとても人気です。

 今回は出発直前まで、台風直撃か!?という予報でハラハラしました。台風は去ったものの、当日になり悪天候のため、石垣島から西表島に向かう船が欠航。ついに今年の西表島実習は中止か!?とも思われましたが、結局少し離れた港に向かう船に、ギリギリ乗り込むことができました。西表島の地を踏みしめた時には心から安堵しました。

西表島固有のイリオモテヤマネコの保護とマングローブ林の保全

 実習のカリキュラムのひとつが、7年前から継続して行っているイリオモテヤマネコ保護活動です。国の天然記念物のイリオモテヤマネコは生息数が少ない希少動物。減少している原因の一つが餌を求めて車道に飛び出し、車にひかれる事故が多発しているためだといわれています。人里離れたジャングルの奥の集落が無くなったことで、イリオモテヤマネコの格好の餌場だった多くの水田が耕作放棄地となり、人の生活圏の水田のほうまでやってくるわけです。

 そこで大阪ECOでは、人里離れた集落跡に水田環境を復活させようと考え、餌になるカエルやトカゲ、ネズミなどの小動物を呼び戻すプロジェクトを行ってきました。今回も水田周りの草刈りや生物調査を実施。この取り組みのためか、生き物の多様性が戻りつつあるようです!

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    ジャングル奥の耕作放棄地で水田環境を再生

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    地元企業のサポートでカヤックは完全マスター

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    マングローブの林にはカヤックでスーイスイ!

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    マングローブに絡みついた海洋廃棄物

 マングローブ林の保全活動では、海辺の移動手段としてカヤックが大活躍! マングローブは河口の汽水域などに生える常緑の林の総称で、海から陸を守り、陸から海を守ってくれる大切な植物です。マングローブの根っこの部分などに海洋ゴミが絡まったり、集積したりしているのを一つ一つ手作業で取り除いていきました。

「西表島に研修にきてほしい」 地元企業から学生にラブコール!

 こうした活動は、環境省や島民の方々からも評価を頂いています。今年の実習では、西表島の企業の方々から「ぜひ学生さんたちに、島の企業の話を聞いて欲しい!」という要望がありました。急遽プログラム外で時間を設け、本校の学生だけに向けたお話をして頂きました。

 集まった企業は、民宿経営やクルーズ船の運営、カヤックなどアウトドアのアクティビティ・サービス、ネイチャーガイドなどを手がける5社です。企業説明会というより座談会のような和やかな雰囲気の中、学生たちは仕事の内容はもちろん、休日の過ごし方、西表島の生活など、気になることを次々に質問していました。

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    企業との交流会には島で働く先輩も参加(左)

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    西表島について丁寧に説明して頂きました

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    地元の方の話を真剣に聞く学生たち

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    西表島での「業界研修」のお誘いもありました

 どの企業の方も「西表島の暮らしは特殊なので、一度自分に合うかどうかを確かめるために研修に来て欲しい」と仰っていました。学生たちが西表島という特別な環境に飛び込むのに、「研修」というのはとても心強い手段だと思います。だって失敗しても大丈夫なんですから。

 今の時代の学生たちこそ「業界研修」という制度をどんどん使って、何が自分に合っているのか、本当にしたいことは何なのかを見極めて欲しいと思います。今回はこのような機会を企業の方々に設けて頂きましたが、おかげで学生たちは新しい扉を一つ、ノックできたことでしょう。

 私たち教員にとっても、学生たちが様々な扉をノックできる機会をたくさん作っていこうと決意させてくれる良い経験となりました。

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    スリル満点!ガイドについて鍾乳洞ツアー 

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    集めた海洋ゴミ。将来のことも考えた実習でした

大阪ECO動物海洋専門学校 教務部 髙見真依)