東京コミュニケーションアート専門学校（ＴＣＡ）の留学生が、地域で行われたお祭りに多言語対応のボランティアスタッフとして参加しました。お祭りは５年ぶりとなる江戸川区最大の催し「第４６回江戸川区民まつり」(１０月８日、都立篠崎公園周辺)と、４年ぶりの開催となった「第４８回葛西まつり」(１０月１５日、葛西区民館)です。この２つのイベントに、様々な国からやってきたＴＣＡ留学生１９名が参加し、多言語対応として放送や総合受付、インタビューを担当。計６４万人が訪れたイベントに華を添えました。

　９月に江戸川区から依頼を頂き、学内でボランティアを募集。中国・台湾・韓国・香港・タイ・マレーシア・インドネシア・カナダ・フランスなど多国籍の留学生が、「ボランティア経験をしてみたい」と応募してくれました。コロナ禍の来日で、日本のお祭りなど文化体験を経験できなかった学生も少なくなく、教職員も「是非貴重な経験にしてほしい」との思いで、サポートにつとめました。

　江戸川区民まつりは例年、区内外から約５５万人が来場するイベントです。しかし２０１９年は台風接近の影響で中止を余儀なくされました。２０２０年以降は新型コロナウイルス感染拡大の影響で開催を見送り、オンラインで実施。今年は５年ぶりに会場での開催となりました。天候にも恵まれ、当日留学生６名が総合窓口を担当しました。

　参加したマレーシア出身のアイシャさんは、「イベントに来た外国人には、日本語を話せる人が多いことに本当に驚きました。祭りを本当に楽しんでいたので、いつか、他のイベントで再び通訳のボランティアをしたいと思いました」と感想を語ってくれました。また、中国出身の伍さんは「今回は日本に来て初めてのボランティア活動でした！貴重な機会をいただいて、すごく嬉しかったです。総合窓口で景品を渡す時、みんなの笑顔を見て幸せな気持ちになりました。とても楽しい時間を過ごせました！」と満足そうでした。

　一方、葛西まつりは開催場所がＴＣＡから近いこともあり、１３名の応募がありました。朝から大雨の予報で、屋外のステージパフォーマンスやパレードは中止になりました。それでも、地域住民の皆様がこの日の為に準備してきた熱い思いが結集し、温かい雰囲気でスタート。こちらでは、多言語窓口受付、場内多言語放送、イベント参加者のインタビューを担当しました。

　留学生からは様々な感想を聞くことができました。「日本で初めてのボランティア活動で、初めて参加した祭りでした。以前はこのような祭りをアニメを見るだけで楽しんでいましたが、今回は自分で参加し、他の住民や留学生と一緒に頑張ることができて本当に素晴らしい経験でした」（香港出身の傅さん）、「金魚すくいをしている子供や、お祭りの参加者へのインタビューの担当もしました。少し緊張しましたが、良い経験になりました！」（中国出身の全さん）。

　「ボランティア活動に参加させていただき、学校以外の活動もこんなに楽しいんだ！と、初めて実感しました。色々な人と出会って精神的にリフレッシュすることができ、社会人として大切なコミュニケーションの力を試すチャレンジにもなりました。今回の活動で得た貴重な経験は、自分のステップアップとして今後の就活に役立てることができるのではないでしょうか」（インドネシア出身のジェイソンさん）。

　今回の経験を通じて、我々スタッフも留学生のために校外活動に参加する機会を戦略的に創出する重要性を感じました。地域貢献活動を通じ、さらに成長した留学生たちの今後が楽しみです。

（東京コミュニケーションアート専門学校　教務　留学生サポートセンター　中野　純子）