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神戸滋慶4校の入学式 新入生が夢の実現に向けて誓いました!

 桜の話題が飛び交う4月8日(月)、滋慶学園グループの学校法人 神戸滋慶学園の運営する専門学校4校の入学式が、神戸市中央区のANAクラウンプラザホテル神戸で行われました。神戸医療福祉専門学校中央校、同三田校、神戸製菓専門学校、姫路医療専門学校の新入生が、夢を目標に変えて学生生活をスタート。代表の学生がステージに立ち、堂々と誓いの言葉を述べました。

 2024年の新入生は4校合わせて542名。新型コロナウィルス感染症の拡大前と同様に、大勢の来賓や保護者を迎え、盛大に入学式を執り行うのは2019年以来5年ぶりとなります。第2部の“最初の授業”では救急救命の実演や、パティシエ、臨床工学技士などとして業界で活躍する先輩たちのプレゼンテーションがあり、新入生は真剣な眼差しで見聞きしていました。

「経験は価値ある財産、何事にも代えがたい」 川口延子校長

≪春風や闘志いだきて丘に立つ≫(高浜虚子)

 4校を代表して式辞に立った神戸医療福祉専門学校中央校と神戸製菓専門学校の川口延子校長は、俳人・小説家の高浜虚子が、遠ざかっていた俳壇に新たな決意で復帰するときに詠んだ俳句を最初に紹介しました。

 そして自然災害からの復興のシンボルの街・神戸らしく、1995年1月17日に発生した阪神淡路大震災のときの実際のピソードを紹介しながら、「経験」がいかに大切かを説きました。

 酷寒の被災地に設けられた避難所で、ボランティアの高校生たちが石油ストーブに給油をしようとしたときのことです。支援物資として送られていた灯油缶の蓋が開かず、困り果てていました。それを見た被災者のお年寄りが「どいてみ」と声をかけ、蓋の真ん中をグッと押すと簡単に開き、高校生たちからは歓声があがったそうです。

 川口校長は「知識や技術はもちろん大切ですが、経験に基づく知恵は、それ以上に役立つときがあります。この話を踏まえて、それぞれの専門分野の歩まれる皆さんに、次の言葉を贈ります」と、18世紀のドイツの思想家・レッシングの名言を挙げました。

≪経験は価値ある財産≫

 自分の経験は、どんなに小さなことでも他人の経験よりも価値があり、何事にも代え難いという意味です。川口校長は次のように語り、スピーチを締めました。

 「経験とは自分の目で見て、耳で聞いて、体で体験することを指します。体に刻まれた何かが、未来をつくるのです。専門学校は実習を尊び、体験を重視します。体験から経験へのステップにとって、大切なのは続けることです。続けていると新しい発見がある。自信が芽生え、チャンスが生まれます。神戸滋慶学園で皆さんの夢を育み、真摯に学び続け、プロとしての体験を経験に昇華していってほしいと願います」

「自己確立の出来た自律協働のプロ人材に」 浮舟邦彦総長 

 滋慶学園グループの浮舟邦彦総長は、グループの全教職員を代表して歓迎のスピーチを行いました。まず、新入生たちに「入学してこられた時の夢や想いを、今日からしっかりした目的・目標に変えていかなければなりません。卒業時のゴールを目標に学びをスタートさせてほしいと思います」と強調。滋慶学園グループの学校が、≪職業人教育を通して社会に貢献していく≫というミッションの下、実学教育、人間教育、国際教育という3つの理念に基づきカリキュラムが組まれていることを説明しました。

 また、プロのスペシャリストとして社会、業界で仕事をしていくための「身構え・気構え・心構え」を学ぶことの大切さも説き、学校の至る所に掲げられている≪今日も笑顔であいさつを≫という標語について言及。笑顔による挨拶がコミュニケーションを取るうえでいかに重要であるか、説明しました。

 そして「皆さんの職業は国を超え、世界が職場になります。コミュニケーション言語としての英語の大切さ、専門英語の大切さを理解してください。違った価値観や文化を理解する真の国際的な感性を身に付けてほしいと思います。また仲間、先生方、お世話になる業界の方々との人間関係は、大切な財産になるはずです。目標を見つけ『自己発見』した皆さんが『自己変革』を遂げ、『自己確立』の出来た、目標のため主体的に動く『自律協働』のプロ人材として、社会に巣立ってほしいのです。一緒に頑張っていきましょう!」と力強く激励しました。

新入生の誓いの言葉 代表4人が堂々と決意を述べました

神戸医療福祉専門学校中央校 鍼灸科 渡辺羽琉さん

 私は水泳や陸上、テニスをしており、それに関連した仕事に就きたいと思っていました。スポーツ系、医療系…と、色んな学校のオープンキャンパスに参加する中で、鍼灸師の仕事を知り興味を持ちました。そして、ケガの治療やコンディショニングといったスポーツだけでなく、日常の健康面で役に立てる鍼灸師を目指したいと考えるようになりました。将来は一人でも多くの方から信頼される鍼灸師となることを目標にしています。それを叶えるために、常に謙虚さと熱意をもち、技術や知識を高めていきます。これから出会う仲間たちと共に切磋琢磨し、勉学に励むことを誓います。

神戸医療福祉専門学校三田校 理学療法士科 淺野勇斗さん

 高校では野球部に所属しており、チームメイトがケガをしてなかなか復帰できずに、悔しがっていたことがありました。私は何もすることができず辛い思いをしました。彼のために何かできないか、調べるうちに理学療法士という職業を見つけました。三田校は地元の野球チーム・兵庫ブレイバーズと提携し、選手のサポートを行っていることを知り、入学を決意。自ら思い描いた目標を実現できるよう、専門知識や技術を身に付け、国家試験に合格できるよう一生懸命勉学に励みたいと思います。初心を忘れず、日々努力を重ね、成長し、充実した学校生活を送ることを誓います。

神戸製菓専門学校 製菓本科 南嶋愛衣さん

 私にはパティシエになって沢山の人に幸せを届けたいという夢があります。高校1年のときサッカー部のマネージャーをしていた私はバレンタインデーに40人の選手にお菓子をプレゼントしました。あまり話すこともなかった選手も喜んでくれ、誰かのためにお菓子をつくる楽しさを感じ、パティシエを目指すようになりました。高校2年のとき神戸製菓のオープンキャンパスに参加。初めてケーキを一から作れた感動が強く心に残っています。また一人で参加し緊張していた私に先生や学生スタッフが気さくに話しかけてくれました。こんなに素敵な人たちに囲まれながら夢に向かって学びたいと思い、進学を強く願うようになりました。学べる環境に感謝し、夢を叶えるために努力します。

姫路医療専門学校 作業療法士科 北村栄人さん

 誰かのために自分の力を最大限に発揮できる仕事に就きたいと考えていた私は高校2年のとき、作業療法士の仕事を知りました。さまざまな年代の方の日常生活に寄り添い、心と体を元気にするというところに魅力を感じました。作業療法士の知識を増やしていくと同時に、大きな夢へと変わっていきました。将来は多くの方々に信頼される作業療法士なりたいと思っています。今日私たちは同じ夢を追い求める仲間としてこの場にいます。医療の知識や技術だけでなくコミュニケーション能力を高め、チーム医療の一員になれるよう向上心と責任感をもち、多くの方々の役に立てるよう努力します。

先輩から歓迎の言葉

神戸医療福祉専門学校三田校 理学療法士科 山本遼平さん

 同じ目標をもつ仲間とのつながりを大切にしてください。仲間とともに勉強をすることで、刺激を受け、先生に質問することで自分の力となり、知識が身についていきます。同じ目標をもつ仲間との学生生活は、モチベーションのアップに最適な環境です。私たちが目指す専門職は、一人では成り立つことができません。周りの人の支えがあって初めて、誰かを笑顔にすることができるのだと思います。日々感謝の気持ちを忘れないでください。そして誇りを持ち、仲間と協力し合って、夢の実現へと歩んで行ってください。

「対自分自身」「他者との協働」「課題解決」 3つの人間力を学ぶ 

 入学式の第2部は、学びの基本を理解するための“最初の授業”です。神戸医療福祉専門学校中央校の黒田尚子局長が講義しました。黒田局長は「プロになるためには何を学ぶ必要があるのでしょうか」と問いかけ、専門的な知識や技術、国家試験の勉強だけでなく、人間力を学ぶことが重要だと強調しました。「立派な大木は目に見えない地面に広がる根っこから栄養をとり、青々した葉や実りある果実を付けることができます。同様に目に見えない人間力を身に付けてこそ、真のプロになることができるのです」と説明しました。

 続いて、スペシャリストの活動の一例として、神戸医療福祉専門学校三田校が救命活動のシミュレーション実演をしました。救急救命士科の卒業生たちが、心臓マッサージや点滴、搬送など緊迫した一連の救命活動を本番さながらに再現。この学科は救急救命士国家試験の合格率が15年連続100%、西日本学生救急救命技術選手権大会で総合優勝8回の実力を誇ります。卒業生たちの様子に、新入生は真剣に見入っていました。

 プロに求められる3つの人間力は、①自分自身の意志や行動を律する力「セルフマネジメント」(対自分自身)、②仲間と協働し、チームで働く力「チームマネジメント」(他者との協働)、③課題を見つけ解決へと行動する力「プロジェクトマネジメント」(課題解決)です。

 

 「セルフマネジメント」はパティシエとして活躍している神戸製菓専門学校製菓本科の卒業生がプレゼンテーション。兵庫県洋菓子協会主催のクリスマスケーキコンテストや、東京都洋菓子協会主催のジャパンケーキショーで1位に輝くなど、困難を乗りこえながら、自己研鑽をしていることを語りました。「チームマネジメント」については、姫路医療専門学校の卒業生の臨床工学技士が発表。同じ部署のメンバーと共に仕事を進めるうえで、「個の成長がチームの力になる」ということを話しました。

 「プロジェクトマネジメント」に関しては、神戸医療福祉専門学校三田校の義肢装具士科4年制の吉田芽生さんが、英語でプレゼンテーション。海外で働きたいとの夢を抱いて国際教育に力を入れている三田校に入ったこと、コロナ禍の中でもオンライン授業で国際交流を続けたこと、英語で学会発表をしたことなど、困難に直面しても諦めずに、常に前向きに学んできたことを語りました。

(Web広報センター)