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石川県輪島市の「キリコ祭り」の支援に学生が参加 能登半島地震の被災地の現状を肌で感じました! 大阪保健福祉専門学校
昨年1月に発生した能登半島地震から約1年半が経過した8月、被災地の石川県輪島市曽々木地区で「能登キリコ祭り支援ボランティアバス」が実施され、大阪保健福祉専門学校 社会福祉科の学生が活動に参加しました。

「能登キリコ祭り支援ボランティアバス」は、同地区で江戸時代から続く能登地方伝統のキリコ祭りを支援するボランティア活動です。キリコ祭りは、高さ10メートルほどの風流燈籠「キリコ」を20人前後で担ぎ、掛け声とともにまちを練り歩くという勇壮な祭りで、2015年度に日本遺産へ登録されています。このキリコの担ぎ手がいないという地元の方々の声を受けた学生ボランティアの発案でボランティア活動が始まりました。8月16日(土)~17日(日)に行われた今回の活動では、昨年度の参加者や能登への訪問経験のある学生が「リーダーズ」として指名され、学生が主体となって運営しました。
今回の活動には、中学生から地元大学の現役大学生、社会人まで80人が参加。初日の16日、神戸市中央区の「1.17希望の灯り」前に集合し、出発式と分灯式を行いました。この場所には、阪神淡路大震災(1995年1月)の各被災地のモニュメントなどを巡って運ばれた種火、そして県外被災者やボランティアによって全国から寄せられた種火を一つにした「灯り」がともされています。阪神淡路大震災を忘れず、そこから生まれた「支え合う心」を伝え広げる思いを胸に、参加者らは大型バス2台に乗り込み出発。約8時間をかけて石川県輪島市曽々木地区に到着しました。


道路はまだ完全には復旧しておらず、陥没した箇所や隆起した箇所も。周囲には仮設住宅が立ち並んでいました。能登半島地震の被害が甚大であること、インフラや住居の再建には長い時間が必要で、震災前の生活に戻ることの難しさを感じました。
現地に到着後、キリコ祭りの準備をするなかで、地元の方からお話を伺うことができました。キリコ祭りは生活の一部であり、生きがいでもあることを感じました。また、風流灯籠「キリコ」を担いで町内を練り歩いた際には、大勢の人が歓声を上げ、笑顔で写真を撮っている姿を見ることができ、祭りの熱気を肌で感じました。


2日目は、輪島市の観光名所「朝市通り」を訪問しました。朝市通りは、地震の際に発生した火災で200棟以上の住宅や店舗が焼け、約5万平方メートルが焼失しています。活動に参加し、他のボランティア参加者や地元の方々からお話を伺うなかで、地震から約1年半が経過した今、ボランティアに対するニーズが、当初の瓦礫撤去や清掃作業の人手の確保から、観光地だった曽々木地区の失われた資源や宿泊施設の再建へと変化していることを知りました。
また、地震の後も能登地方は豪雨に見舞われ、土砂崩れや浸水などの新たな被害が発生しています。変わりゆく状況を知り、地元の方々の思いに耳を傾け、寄り添うことが必要であると感じました。学生たちにとって、今回の活動はボランティアとは何かを考えるきっかけになり、貴重な経験になりました。また再訪したいと思います。
(大阪保健福祉専門学校 社会福祉科 教員 石澤宜子)