お知らせ
News
“命をつなぐ使命”胸に刻み付け…救急救命士学科の学生が消防学校の施設を見学 北海道ハイテクノロジー専門学校
北海道ハイテクノロジー専門学校 救急救命士学科の1年生がこのほど、北海道消防学校(江別市)を訪問しました。消防学校は、北海道全域の消防士を対象に、基礎から実務までを体系的に指導する機関であり、消防行政を支える重要な拠点です。今回の訪問は、学生たちが将来、自分たちが学ぶ環境を理解することが目的で、消防職員初任者教育を行う施設を訪れ、見学させていただきました。学生にとっては、卒業後の進路をより具体的にイメージする貴重な機会となりました。

当日は最初に講義室で学校職員の方から施設の概要説明が行われました。消防士として求められる資質や、研修の流れ、安全教育の重要性などが具体的に紹介され、学生たちは配布資料を手に真剣に耳を傾けていました。講話では、入校後に行われる厳格な訓練のスケジュールのほか、協調性・規律を重視する教育方針についても説明があり、教室内は緊張感に包まれました。
こうした説明を通じて、学生たちは、消防士という職業が単なる体力勝負ではなく、知識・判断力・チームワークを総合的に求められていることを改めて実感。将来、現場で命を守る立場になるために、今の学びがどのようにつながっていくかを考えるきっかけとなりました。
施設見学では、2024年に新設された訓練棟を中心に、複数の実習施設を見学しました。屋内型の模擬消火訓練施設では、実際の火災現場を想定して放水訓練が行われる仕組みや、煙の流れを再現できる構造について説明を受けました。安全確保のため温度上昇や視界の変化をコントロールできる最新設備が整っており、学生たちは熱心にメモを取りながら、教官の話に耳を傾けていました。これらの設備は、消防士としての実践力を磨くために欠かせないものであり、理論と現場訓練を融合させた教育体制が整っていることがわかります。


また、倒壊家屋を想定した震災対応訓練施設も見学。この施設では、建物内部に複数の障害を設置し、救助活動の模擬訓練を行うことができます。北海道は地震や風雪被害など自然災害が多い地域であり、こうした訓練環境は非常に実践的です。教官は「災害現場では瞬時の判断と協力体制が不可欠です」と強調されました。学生たちは実際に訓練用資機材を手に取り、装備の重量や構造を確認しながら、救急救命士として求められる連携の大切さを実感していました。
これらの見学を通じて、消防学校が“地域の安全を守る人材を育成する現場”であることを理解し、学生一人ひとりが自分の進路に対して新たな視点を得る時間となりました。
見学の締めくくりとして、消防学校の教官による講話が行われました。消防士としての心構えや現場での行動原則、安全管理の徹底など、実際の経験に基づいたお話ばかりで、「消防士にとって最も大切なのは、技術よりもまず“安全を最優先に考える姿勢”です」と力を込める教官の言葉に、学生たちは深くうなずいていました。実際の災害対応では、一瞬の判断が命を左右することも多く、訓練の厳しさはその責任の重さに直結していることを改めて認識させられました。


講話の後、学生たちは施設内の掲示パネルや展示資料を再び確認しながら、消防士として必要な能力や知識を整理しました。多くの学生が、これまでの授業で学んできた救命技術が、消防業務全体の中でどう活かされるのかを具体的に理解できたと感じています。見学の最後には、教官・職員の方々に感謝の言葉を伝え、充実した時間を終えました。
今回の見学は、学生たちにとって自らの学びの意義を確かめる実践的な機会となりました。北海道ハイテクノロジー専門学校では、今後もこうした体験の提供を重ねることで、地域社会に貢献できる救急救命士・消防士の育成を目指しています。