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学生の感覚で銀行のテレビCM制作、放送中です! 名古屋デザイン&テクノロジー専門学校

撮影中の映像チェック。銀行の自然な雰囲気を演出します

 名古屋デザイン&テクノロジー専門学校の学生が、三重県の三十三銀行(四日市市)のテレビCMを制作しました。地域の個人顧客や企業に寄り添い、共に歩む銀行の姿勢を訴求する内容。企画提案や台本つくり、撮影プランの作成からキャスティング、監督、映像編集、音入れなど一連の工程をすべて学生が行いました。姉妹校の名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校の学生にも協力を依頼。銀行員役のエキストラやナレーション、音楽制作を担当してもらいました。CMは5月から名古屋テレビと三重テレビで放送されています。

 このCMは2021年5月に第三銀行と三重銀行が合併して三十三銀行が発足し、2周年になるのを記念して制作。家族編と事業者編の2パターンがあります。家族編は住宅ローンや、子供の教育資金、相続、資産運用に不安を抱える夫婦が子供と来店し、丁寧な説明を受けて安心して帰るというストーリー。事業者編は中小企業の幹部と部下が、資金調達やIT・DX化の推進などの経営相談に訪れ、アドバイスに満足して銀行を後にするという内容です。

  • 家族編の撮影

  • 銀行員が説明するシーンを撮る

名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校の学生が音楽とナレーションを担当 後ろで仕事をする銀行員にも扮しました

 CMはいずれもドローンで撮影した本店内の全景から入ります。顧客の不安な表情が映し出されると、銀行員が胸を張り自信に満ちた笑顔で登場。実際の業務と同様にタブレットで説明した後、十分納得したさわやかな表情の顧客が映し出され、銀行員のアップで終わります。

 それぞれ15秒の短編で「三十三銀行はあなたの悩みを一緒に考える銀行です」「皆さまに寄り添い未来へはばたくお手伝いをします」「今までもこれからも三十三銀行」とナレーションが流れます。声は名古屋スクールオブミュージック&ダンス専門学校(NSM)の学生が担当。バックに流れるBGMもNSMの学生作品です。

 また家族編の子供連れの夫婦、事業者編の企業の社員、説明をする銀行員は芸能事務所の俳優で、後ろで仕事をしている銀行員は、俳優や声優をめざすNSMの学生たちが扮しています。テレビカメラやドローンによる撮影は映像制作会社に依頼しました。

  • ドローンで店内の様子を撮影 

  • 準備をする銀行員役のNSMの学生

8シーンに分けて納得がいくまで撮影 ナレーションもブラッシュアップ

 このプロジェクトは、名古屋デザイン&テクノロジー専門学校の産学連携による実践教育の一環で、企業の協力を得て業界のリアルな仕事を経験し、即戦力となるクリエーター養成のカリキュラムです。

 三十三銀行から制作依頼を受けたのが昨年9月で、デジタルクリエーター科とスーパーゲームクリエーター科の授業としてプロジェクトがスタート。オリエンテーションで銀行の特長や歴史、アピールしたい内容などについて説明を受けました。具体的なCMの内容を絵と説明文で表す絵コンテを、学生が一人ひとり作成。それにもとづく企画案を銀行の役員にプレゼンテーションし、審査の結果、CGクリエーター専攻の新名正弥(しんみょう・まさや)さんのプランが採用されました。

 ナレーションのセリフも新名さんが考えた内容を練り上げました。制作は新名さんを総監督とし、進行、背景、備品、交通整理などのさまざまな担当を決めて準備をすすめてきました。営業日ではない3月4日(土)、本店で行われたロケーションには約25人のスタッフの学生が集合。銀行員役の学生も約10人が参加しました。

  • 映像制作会社のプロと相談しながら撮影 

  • 事業者編のラストシーン。納得いくまで撮り直します

 「テーブルの位置、左にずらしたほうがいいよ」「背景は銀行員の1人に歩いてもらったほうが自然な映像になる」…。新名さんを中心に進行、背景などの担当の学生、撮影現場を指導した映像制作会社の代表やカメラマンが相談しながら撮影。家族編・事業者編とも8つのシーンごとに何度も撮り直し、撮影は朝から夕方まで丸一日かかりました。 

 この後、撮影した素材を元にイメージどおりの映像になるように編集し、仕上げてゆきました。さらにナレーションやBGMなどの音声を入れる作業を行い、三十三銀行でも試写会を実施。最終的に完成したのが4月下旬でした。

  • 映像の編集場面

  • ナレーションを収録

地域のお客さまに寄り添い、共に歩んでゆく姿勢をアピール

 今回のCM制作について、三十三銀行営業企画部デジタル・リテール企画課長の福田賢治さんは、「われわれ銀行員がCMを考えると、どうしても硬いイメージになったり、お客さま目線から離れがちになったりするので、新しい若い感性を活かしたCMの作成を学生さんたちにお願いしようということになりました」と語ります。

 第三銀行と三重銀行が合併して三十三銀行がスタートしたのは、コロナ禍の真っ最中の2021年5月。地方銀行は顧客を訪問してコミュニケーションを密にとるのが営業の基本なのに、コロナ禍で自粛せざるを得なくなったといいます。

 福田さんは「2周年の節目に改めてフェイス・トゥ・フェイスの営業が必要だと考えています。オンライン化が進み、便利になっていく世の中ですが、一番大事なことはお客さまに寄り添うこと。お客さまと共に歩んでいく銀行だということをCMでアピールしています」と話していました。

  • 家族編のシーン。安心した雰囲気 

  • 事業者編のシーン。銀行員役は学生

  • 事業者編のシーン。これで大丈夫!

「学生の立場でいろいろ学ぶことが出来た」 監督の学生

 総監督をつとめた新名さんは「将来、CM制作の会社で仕事をしたいと思っています。僕がやりたいのは映像の素材編集の仕事で、就職してから撮影現場に来ることは少ないかもしれません。こういう経験は今しかできないですし、学生という立場でリアルな撮影現場を経験し、色々学ぶことができたのは貴重な機会になりました」と話していました。

 また制作進行を担当した本居和真さんは「スケジュール調整が非常に難しかったです。ロケはスケジュールどおり、4時に収まりきったというところが、一番達成感を感じました」と話していました。

※CMの画像・動画は三十三銀行の承諾を得て掲載しています。